「木嶋佳苗とか、最近だと京都の筧千佐子とかもそうですけど、欲張りですよ。何千万円ももらって挙げ句、人を殺しても絶対幸せになれないのに」
そう話すのは、星川恭子(27=仮名=)。
某雑誌で出会い系サイトの取材をしていた折り、知り合った女だ。
木嶋某ほど豊満でもないし、筧某ほど妙齢でもない。街に紛れたらすぐに判別がつかなくなりそうな十人並みの容姿である。
サイトで出会いを探す素人女性なのだが......
彼女は、普段は飲食店のパートをしていると言う。聞けば、百貨店のレストラン街などに入っているチェーン店系の洋食屋である。
彼女は出会い系サイトを使っているが、援デリ業者でもなければ、個人で援助交際をしているわけでもない。
〈今日、お時間あればご飯でも一緒にしませんか?〉
彼女の書き込みはこんなものだった。
援デリ業者が9割と言われるサイトで、このように食事の相手を探す女はどんな女なのか? 興味を持った記者は、彼女に直メールしてみることにした。
実際に会ってみると、別にモテそうなタイプには見えないが、食事に行く相手にも困るほど問題を抱えた女にも見えない。
「だから、結局出会いがないんでしょうね。昼間のパートしてても、バイトの学生とは出会うけど、同じ齢の会社員と出会う機会はないし。私、地元の短大出てから東京出てきたから、こっちにも友達ほとんどいないんですよ」(恭子)
なるほど......。
そういう女性が出会い系サイトで食事の相手を探すのかと、一応納得してみる。
しかし、どこか腑に落ちない。
だが、腑に落ちないどころか、恭子の話は全然別のほうに進んでいった。
プチ結婚詐欺系女子
「あの、彼氏は探してないです。別に日常生活でも出会いはないけど、彼氏が欲しいわけではないんですよ。サイトにも援助交際──要は売春したくないって男の人はたくさんいるわけだし」(恭子)
彼女が何を言おうとしているのか、記者にはよくわからなかった。
そこで「では、彼氏も欲しいわけでもなく、援助交際目的でもないのに、本当に食事の相手が欲しいだけなのか?」と尋ねてみることにした。
「食事もそうですけど、あとはディズニーランドのチケットをペアで買ってもらったり、一緒に旅行したいからって新幹線のチケットを買ってもらったり、男の人にプレゼントしてもらうんです。レストランに旅行雑誌を持っていって、『ここ行きたいんだよね』とか話したり」(恭子)
要するに、援助交際のできないマジメな男に、今後の付き合いをちらつかせては、やがて換金できるものを買わせるのだ。
呆れた話である。
だが、こんな地味でまじめそうな女性が、まさかそんな下心を持っていようとは、ほとんどの男性は見抜けないだろう。
「いつかは結婚したいという気持ちはウソじゃない。だから、いつか結婚したいって言うと、別に『あなたと』とは言っていないのに乗り気になってくれる男の人はたくさんいるんです。それで、まず旅行しようって言って、チケットを買ってもらって。でも、私の仕事が忙しくなったり、体調を崩したりで旅行は実現されないんですけど(笑)」(恭子)
そう言って彼女は笑う。それらのチケットを換金した金は月に10万円にはなるのだとか。
「人を騙して、殺して何千万円ももらっても幸せになれないのに」と恭子は言っていたが、こうして自分の手口を得意げに話す彼女の姿もまた、記者には、とても幸せになれるようには見えなかった。
(取材/文=李白虎)
実は男性のほうが結婚に夢を持っている(写真はイメージです)