銃器捜査のエースから塀の中、そして現在は

いなば探偵事務所公式サイト(リンク)
──公式サイトには「暴力団担当の元刑事が調査 安心の探偵事務所」とあって、新聞記者さんも「普通の方は安心できません」と報じてましたね。正直な感想だと思います。
稲葉圭昭(以下稲葉) 報知新聞の甲斐さんの記事ですね。かなり前に取材を受けてから、親しくしてもらっています。面白がっていただいていいんですよ。
──同じ記事には、「一度お会いすれば、温かみがあり、信頼できる方だということが分かると思います」「(探偵事務所の力で)札幌の街では浮気をする輩は減っていくことでしょう」とありますが、もともとは道警のマル暴担当の刑事さんでしたね。
稲葉 そうです。いろいろありまして。探偵事務所は、プライベートで「浮気調査をしてくれるところを探しているが、どこへ行けばいいのかわからない」という相談がけっこうあったので、ビジネスとして成り立つかなと思ったのです。まあ今のところはあんまり成り立ってませんけど、捜査のノウハウは生かせますね。ひとの嫉妬はすごいんだなあと日々感じています。
──逮捕の前後、稲葉さんの事件について書かれた新聞記事や書籍によると、愛人さんがたくさんいらっしゃるというようなお話でしたが、それが浮気調査に生かせるということですか?

「警察と暴力団 癒着の構造」双葉新書
稲葉 まあ彼女はいなかったとは言わないけど、それは別ですかね。そもそも自分について書かれたものなんか読みませんよ、ハラたつもの(笑)。でも『警察と暴力団 癒着の構造』(双葉新書、14年10月)には、ちょっとメディアへの反論を書きました。編集者が資料として集めてくれた僕に関する本や新聞記事は、デタラメなのが多かったんです。
たとえば僕はダイビングが趣味なんだけど、潜りに行く時はだいたいダイビングショップの主催で、ショップの店員やお客さんたちと一緒に行くんです。でも、ある本には「若い女をはべらせて毎週ダイビングに行ってた」みたいに書いてあって。もちろん若い女性もいたけど、若い男もハゲのオッサンもいるのよ。つまり「若い女性」をはべらせてるというのは、警察情報なんです。
悪意丸出しなんだけど、それを鵜呑みにして裏も取らずに書いた著者にハラが立ったので、「警察からのウソ情報ばっかり書いてないで、オレに直接聞きに来い」って、反論してみたんです。今のところ特にリアクションはないですけどね。
でも、当時はしかたなかったかもしれない。とにかくひどい記事ばかり出ていました。
──ご家族についてもひどい書かれようでしたね。
稲葉 そう。一家離散でもおかしくなかったけど、家族がみんなで支えてくれたから、助かりました。服役中には孫も生まれてね。家をしっかり守ってくれた妻にはアタマが上がりません。