>  > 銃器捜査で名を馳せた北海道警の敏腕警部、覚せい剤使用の服役を経て、そして現在は
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銃器捜査で名を馳せた北海道警の敏腕警部、覚せい剤使用の服役を経て、そして現在は

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欧米並みに日本も薬物中毒者が増加?


──最近の薬物事件については、どう思われますか?

稲葉 道内では、以前は薬物事件といえば、覚醒剤と大麻の検挙件数がほとんどでした。職務上の興味もあって、ヘロインやハシシとかひと通り使ってみたけど、やっぱり覚醒剤だなと思いましたね。

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危険ドラッグ「ハートショット」

 それが、去年(14年9月)は札幌市内で危険ドラッグ「ハートショット」を吸引した12人が交通事故を起こしたり、心肺停止になって救急搬送されたりと大問題になった。これは野放しにしていた警察の責任ですよ。たしかに薬物は分析に時間がかかるので、規制は難しいんだけど、何か対策は打てたはず。たとえば、事故ったクスリのパッケージを公開して、「似ているものも含めて、このパッケージのものは絶対に吸ってはダメ」とキャンペーンをするとかね。

 今年に入ってからは、危険ドラッグの検挙者も減ってきて、報道でも見かけなくなりましたね。知り合いのヤクザたちは「覚醒剤や大麻はいいが、危険ドラッグだけは危ないから使わない方がいい」と言ってるくらいです。

 でも、危険ドラッグの市場が広がったり縮んだりしたところで、覚醒剤の使用は減りません。覚醒剤中毒者のほとんどは覚醒剤から抜け出せないと思います。これも経験者が言うんだから、間違いない(笑)

 今のところは、日本における薬物の生涯経験率(1回でも違法薬物を経験したことがある者の割合)は1.5%程度で、これは国際的に見てもかなり低いんです。でも、これからは違法薬物に手を出す人間の全体数が増えると思います。ネットで簡単に買えちゃうからね。

 それに、海外の犯罪組織から見れば、ドラッグに免疫がない日本人は「いいお客さん」なんです。不況とはいえ、日本人は国際的にはまだまだ「カネ持ち」で、海外で大麻や合成麻薬などを喜んで買ってる。以前から日本をターゲットにしている海外組織も少なくない。欧米みたいに中毒者が増えるのは時間の問題だと思います。

──捜査員の質も変化しているのでしょうか?

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稲葉 そう思います。今はパソコンを使うのが上手な警察官が「優秀な警察官」と評価される時代になってしまいました。現場で情報を取れる捜査員がいないのです。都市部は監視カメラ便りですが、北海道は広いから、カメラが設置されていないところも多いので、検挙率も下がり続けていますね。

 もちろん薬物の捜査も、籍を置いた者としては頼りないと思います。事故や事件を起こした人間の逮捕が中心で、ブツ(ドラッグ)の製造や販売経路の捜査が後手に回っているからです。

 これは、今に始まったことじゃないんですが、ドラッグの使用者をパクったら終わりにするのではなく、その背後をきちんと捜査するのが大切なんです。
でも、そういう本質的な捜査はめんどくさいし、干されるから、誰もやりません。時間もカネも人手もかかることは警察がやりたくない。薬物中毒者が減らないのは、そういうことも理由でしょうね。

 どこかの標語ではないですが、薬物は「ダメ、ゼッタイ」ですよ。

──説得力がありますね(笑) 今後は探偵業とご家族のビジネスの二本立てでしょうか?

稲葉 実は、もう一つ隠し玉があります。今はまだ言えないけど、楽しみに待っててください。我ながらけっこう面白いと思います。





(取材/文=編集部)