>  > ■元ヤクザやアウトローが軒並みYouTuberデビュー......それに違和感を感じるオトコたち (文・佐々木拓朗)
元ヤクザやアウトローが軒並みYouTuberデビュー

■元ヤクザやアウトローが軒並みYouTuberデビュー......それに違和感を感じるオトコたち (文・佐々木拓朗)

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「日陰もの」。ひと昔前、裏街道に生きる者たちはそう言われていた。決して、日陰ものたちは、過去の武勇伝やケンカを大衆の前で自ら語り、それを誉れとすることはなかった......YouTubeという媒体が存在するまではだ。そう、最近はYoutube上に、現役やOB問わず、ヤクザやアウトローを自称する人々があふれ、嘘かホントか裏社会での出来事を語り、支持を得ている。そして、それを苦々しく思っている日陰ものたちもいるのだ。

 メディアとは、一昔前までは、主にテレビや週刊紙など、良くも悪くも、それなりの歴史と実績を持ち、世間に認知されていた媒体のことをさしていた。

「それが最近は、素人までが自らのYouTubeのチャンネルをメディアと言うようになった。1億2000万人すべてがメディア人であることを自称できる世の中になってしまったわけです。確かに、Youtubeというプラットフォームは、テレビと同じ土俵に立てるメディアになりえはしますが、誰でも配信できるYoutubeチャンネルが我々のような『マスメディア』と呼ばれるようなものになることはない。脅威?それは全くないですね。Youtubeがテレビに置き換わることはないですし、コンテンツのクオリティを見ても、私たちテレビマンは完全に下にしか見てないですし」(テレビ関係者)

 確かに、昨今「近日中にメディアに登場!」などとSNSで大袈裟に告知し、いざ蓋を開けてみるみるとYouTubeでした......と拍子抜けさせることは少なくない。しかし、自身のファンや特定の嗜好を持つ人々にニッチな情報を届ける手段として、Youtubeが有効であることは間違いない。そうした中で、決してマスメディアには出ることがない、本来であれば、日陰ものといわれていた、裏社会の配信者たちがYouTubeでも目立つようになってきている。だが、その中身といえば玉石混交。前述の通り、その筋の人間からしたら、見るに耐えない状況になっているという。

「YouTubeではいったんも勝ち、後から出てきたもん勝ちになっていてキリがない。アウトローやら元ヤクザやら半グレやらを名乗るものが多数いるが、ひどいくらいウソや誇張が多い。パターンとしてマンガと同じで、その世界で目立ったヤツが出てくると、そのウソをめくり、すでに目立ったヤツを叩くことで支持者を集う図式が生まれてしまっている。結局はどちらも自己正当化とウソばかりで、大の大人が何をやっているんだと。滑稽でしかない」(元ヤクザ関係者)

 70歳を過ぎた元ヤクザが出鱈目な武勇伝を披露したり、50を超えた中年男性が暴走族について熱く語るのだ。それも「あれは本物だ」「あいつは偽物」と人前で罵り合うのである。いくら広告収入のため、もしくは承認欲求のためといえど、確かにこの元ヤクザ関係者がいう通り、一歩冷静にみれば、赤面するような構図だ。

「最近では元どころか、現役のヤクザだと自称する者までYouTubeに現れました。この状況には、誰しもが、おいおい......とツッコミたくなる。そもそも反社会的勢力を自称する人物が広告収入なんて得てはいけない。広告収入を得るには、必然的に振込先となる口座が必要となります。ヤクザ本人の者じゃなく第三者であれ、口座を通して、広告収入が振り込まれていれば、Youtube側だって法的にはアウトです。反社会的勢力に利益供与し、彼らの活動を助長させるからです。普通に少し考えれば分かりそうなものなのですが、顔出しして暴力団を公言する人物が堂々と動画は配信しているとは、いよいよYouTube界も歯止めが効きにくくなっているのではないでしょうか」(法律に詳しい専門家)

 もちろん、この現役ヤクザを自称する人物も、これまでにありがちな、他のアウトローを貶めて、支持者を集めるという手法を取っている。「私が知っている、この人物に勝手に名前を出された人は、明らかに不愉快そうでしたよ。ただ、それに反応すれば、相手が増長して喜ぶだけなので、相手にすらしていないようでしたが」(同)

 さらに、こうした元ヤクザやアウトローを名乗るYoutuberたちに対して、現役のヤクザ組員はこう憤る。

「はっきり言うてマンガ以下や。考えてみいや。ワシらワシらの世界のルールがあんねん。綺麗に辞めたもんなら、まだわからんこともない。元組長やの極道やの売りにして配信してるほとんどが、破門者や。破門者が何がヤクザや。何がヤクザとはやねん。それも知ったように何を抜かしとんねんいう話やろう。そもそも不義理したから、ヤクザ社会から破門されとるのに、それを時がたち、それを美化させて、YouTubeで武勇伝のようにヤクザ時代を騙るって、どういう神経しとるねんてみんなおもとるわな。確実にな。少なくともワシの周りはみな、舐め腐りやがって言うとるでな。不良や暴走族のケンカ自慢なんて、見もせんわ。ええ年して、ケンカもクソもないやろうが」(某幹部)

 以前であれば、ヤクザ社会から追放された元組員らは人知れず暮らしていくというのが、最低限の節度であったという。それがYouTubeには堂々と露出している。まるでヤクザ代表としてだ。生活のためなのか、目立ちたいだけなのか、個人の自由といえばそれまでだが、心良くは感じていない現役の組員たちが多くいるのは確かなようだ。今後も、元ヤクザを名乗るアカウントはYouTubeに登場することが考えられる。だが、それで生計を維持していくのは、様々な状況を考慮しても、困難といえるのではないだろうか。

(文・佐々木拓朗)