神戸山口組の中核組織と言えば、五代目山口組時代に「山健にあらずんば山口にあらず」とまで言われた山健組である。
逆に言えば、それだけの組織が立ち上がったからこそ、山口組の分裂。神戸山口組の発足を可能にさせたとさえ言えるのではないだろうか。
その山健組に仮に綻びが出たとするならば、当時、山健組で副組長の職にあり、神戸山口組においても若頭代行という最高幹部の要職にあった現、絆會織田絆誠会長らの離脱ということになるだろう。その際、山健組からは織田会長と共に、約3分1の直参組長らが離脱。山健組に激震が走ることになった。
しかしそこでも山健組の屋台骨は揺れることはなかった。新たな最高幹部を登用するなどし、体制を強化させてみせたのだ。
そして、これまで神戸山口組井上邦雄組長が山健組の組長も兼任していたのであるが、同組で若頭を務めていた現、五代目山健組中田浩司組長に跡目を継承し、新体制を発足させたのだ。
だが、またしても山健組に衝撃が走る。
五代目組長に就任した中田組長が、神戸市内で起きた弘道会傘下の組員に向けた発砲事件に関与した疑いが強まったとして、殺人未遂容疑で逮捕、起訴され、現在に至るまで社会不在を余儀なくさせられることとなってしまうのだ。
そうした状況下にあって、業界関係者の間である噂が激しく錯綜するのである。
その噂とは、山健組がもしかすると割れるのではないか、と言う内容が発端であった。
「それは7月8日のこと。山健組のそれも保守本流と言われる組織や、武闘派として知られる組織が、何らかの動きを見せるのではないかと話題になった。そして9日に山健組から重大発表が出されると噂になったのだ」(業界関係者)
それは県警関係者も知るところとなり、六代目山口組サイド内でも、そのことについて何らかの通達が出た組織もあったと言われている。
「山健組では6月に会合を兵庫県内の飲食店で開いた際、会費の減額などが議題になったのではないかという話しがありました。それにおヒレがつくような形で、さまざまな噂が駆け巡っていったのではないでしょうか」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)
ただ、その日の内に山健組サイドから通達が出されたと見られ、一気にそうした噂は沈静化していくことになったのだった。
「山健組から出されたと見られる通達は、業界内の噂は誤報という内容のものであったという。確かに現在、山健組のトップである中田組長は身柄を拘束されており、それも分裂抗争に関与していたのではないかという理由でだ。そうした状態で山健組がまたしても割れるとは、考えられないだろう。(地元関係者)
そして迎えた翌日9日。一時は沈静化したのではないかと見られていた山健組の離脱説が朝から飛び交ったのである。その内容とは。
「山健組が割れるのではないようだ。山健組が神戸山口組から離脱するようだ」
言うまでもなく、山健組は神戸山口組の中核団体だ。山健組が六代目山口組から離脱したからこそ、神戸山口組が誕生したとさえ言える。その山健組が神戸山口組を離脱することなど、現実としてあるのだろうか。
その後、やはり離脱はないようだ!いや何社離脱するようだ!と情報が錯綜し続けるのであった。
ただ言えることは、何かが起きている、もしくはいた、と言うことだけは、間違いないのではないだろうか。
(R-ZONE編集部)