>  > 5月27日遂に情報解禁された綾野剛と舘ひろしの共演作「ヤクザと家族 The Family」(文・沖田臥竜)
ヤクザと家族 The Family

5月27日遂に情報解禁された綾野剛と舘ひろしの共演作「ヤクザと家族 The Family」(文・沖田臥竜)

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一言で言えば、映画の撮影現場は、150人規模の強烈な文化祭と言ったところだろうか。
それだけに1ヶ月を超えた撮影現場での思い出は尽きない。
まさか小さな頃、TVで観ていた舘ひろしさんに撮影中、ずっと「先生」と私が呼ばれることになるなんて想像すらしたことがなかった。
だが、終始、舘ひろしさんは私を「先生」と呼んでくれ、一つ一つのお芝居の際に、演技指導していた私に、「先生〜今のどうだった〜?」と和かな笑顔で確認してくれるのである。

舘ひろしさんから醸し出されるオーラは、周囲を圧倒するほどであった。そんな人が私に、たずねてくれるのだ。映画の撮影現場は、想像を絶するほど過酷だったのだが、いつもその一言に感動し、奮い立たされた。
今では、私の人生で舘ひろしさんに「先生」と呼ばれたことが、宝物になっている。

そして、この映画で主演を務める綾野剛さんである。言わずと知れた第一線で活躍しているスターだ。
私は撮影前の綾野剛さんの衣装合わせから立ち会うことになった。そして、なぜ綾野剛さんが第一線で活躍し続けているのかを肌で感じさせられることになるのである。
お芝居に対する情熱と、誰に対しても気配りが素晴らしいのだ。
第一線で活躍しているからといって、全くの傲りなどないのである。

実際、映画の撮影は本当に大変で、何度も何度も挫けそうになっていた。正直言えば、辛すぎて「もう辞めよう、、、」とばかり考えていた。
何か辞める理由はないものかと、そればかり考えていたように思う。それほど、映画の世界というのは、初めての私には、大変だったのだ。
だが、そんな時に綾野剛さんは決まって、「沖田さ〜ん!」と声をかけてくれた。今、思えば、あの時、私は別世界にいたのだろう。

「沖田さん〜映画の撮影は大変でしょう?でもね、これがやみつきになってくるんですよ〜」

眩しいほどの笑みを浮かべ、そう私に言った綾野剛さんの言葉に、その時ブルンブルンと首を振っていたのだが、今ならそれが分かる気がする。
現に、映画の監修の仕事が終わってすぐにやってきた連続ドラマの仕事も、大変だと知りつつも受けていたのだった。
綾野剛さんが言うように、作品を作る情熱にいつしか私も魅力されていたのかもしれない。

ただ辛いと思った仕事をやり遂げれたのは、それだけじゃなかった。作品の舵を握る監督の存在。それが本当に大きかった。

今作「ヤクザと家族」のメガホンを握ったのは、映画「新聞記者」で今年アカデミー賞を受賞した藤井道人監督だ。藤井監督もまた天才と呼ばれる人種の人物であった。その上で、強烈なリーダーシップを発揮して、メガホンを握り続けるのだ。私よりもひと回りも下なのに、その姿勢に勉強させられる所が沢山あった。且、人柄だろう。人柄がすごく良いのだ。藤井監督には、「このひとの為にー」と思わす人間性が兼ね備えられていた。もしも藤井監督でなければ、映画独自の文化に飲み込まれてしまい、途中で私は限界を感じていたかもしれない。

そうした中で、オールアップを迎えた際、私の周囲の人たちは、みんなが最後まで良く頑張ったと久しぶりに褒めてくれたのだった。

こうして迎えることが出来た情報解禁であったのだが、私が映画の仕事に携わることになったきっかけは、ある若手の助監督によるものだった。
その助監督が私を発掘し、猛烈にアピールしてくれ、監督たちに「この人を口説いて良いですか!」と言ってくれたのだ。

撮影中には、号泣されたこともあった。彼が私の担当だったので色々な話しもたくさんした。
私は、自分でも充分理解しているが、立派な人間などでは決してない。
それでもこうして、ペンを握り続けている。

今でも対して変わってはいないが、寝る間を惜しんで働き続けたお陰で、生活は普通にできるようにはなった。そして、映画の仕事に携われ、それらが報われた気がしている。

2021年に公開される。リアルティーで言えば、この映画に勝るものはないと、私も仕事として携わった以上、自負だってある。

是非、劇場で観て頂ければ幸いである。