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指紋

平成三大未解決事件 ースーパーナンペイ事件②ー指紋 沖田 臥竜

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不審な男が姿を消した通用口は店の西側にあり唯一、店外の駐車場へと直接出ることのできる通路だった。普段は従業員専用となっており、この日もアルバイト店員の人たちはいつものようにこの通用口を通り、2階の事務所で帰宅準備をしていたところを襲われることになってしまう。

スーパーナンペイ事件では、事件が大きく動いた瞬間が3回ある。1度は2015年。現場に残っていた粘着テープの指紋を採取することに成功した時だ。各メディアもそれを受けて一斉に色めき立ち、すぐさまその模様を報じることとなった。
被害者2人を縛りつけていた粘着テープはニチバン社製で、事件の約2ヶ月前から、東京、埼玉、千葉、神奈川、山梨のコンビニエンスストアなどで販売されていた。
事件発生当時から、粘着テープには指紋の一部が残っているのを発見できていたものの、当時の技術ではその指紋を検出することが出来なかった。それほど粘着テープに残された指紋の検出は困難であったのだ。それを警視庁が2010年以降に、特殊な液体や剥離剤を使うことで、粘着テープに残された指紋を検出することに成功させて見せたのである。
そして指紋データベースと照合した結果、事件当時、多摩地区に住んでいた男の指紋とほぼ一致したのだ。だが指紋線というものは12点あり、全てが一致して、初めて同一人物とされている。
この男については、そのうちの8点しか一致しなかった。ただ残りの4点も一致しなかったのではない。不鮮明過ぎて確認しきれなかったのだ。
当時マスメディアでも報じられた通り、8点でも一致すれば相当高い可能性で特定されたと見てよい。指紋照合の結果、該当した男は既に2005年ごろに病死していた男であった。
生前この男はタクシードライバーなどの仕事をしながら、周囲に対して暴力団関係者との交友関係を吹聴したり、拳銃なども入手できると言っていたする証言があったのだが、加熱するかと思われた報道は、しばらくすると一気に鎮静化し始めることになった。その理由はあくまで12点の指紋線が一致しなければ証拠能力がなかったことと、後の捜査で男に事件当時、別の場所にいたことを裏付けるアリバイが判明したからだ。そのアリバイから、少なくとも男が事件発生の時間帯に、スーパーナンペイへと来ていないと判断されたのである。

だが警視庁の粘り強い捜査は続けられた。結果、男には元同僚で、悪事を働く際によく連なっていた相棒が存在していたことが、新たに判明していくのであった。


(文・沖田臥竜)