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証言

平成3大未解決事件 ースーパーナンペイ事件⑤ー証言 沖田 臥竜

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2009年、ある男の証言から、スーパーナンペイ事件が大きく進展するかと思われたことがある。
男の名前は武田輝夫。2003年までに麻薬密輸容疑で中国政府に身柄を拘束され、2007年に大連市の遼寧省高級人民法院(高裁)で、死刑が確定していた人物である。

「中国で死刑が確定している武田が、知り合いの日本人の男が八王子の事件に関与した」

と証言しているという情報が、中国公安当局から寄せられてきたのである。警視庁はその真偽を確認するべく、中国政府に対してすぐさま、捜査員の受け入れを要請。実際に捜査員を中国へと派遣したのであった。

武田の証言によれば、2002年秋に中国へと一緒に密入国していた男が、スーパーナンペイ事件の実行役として、事件に関与しているというものであった。実行役と指南されている男もまた、武田同様に麻薬密輸容疑で死刑が確定してい日本人の男であった。
警視庁のそこからの捜査でも、実行役でなないかと目された男は、事件当時、八王子に土地勘があったことが確認できたことなどから、捜査員を中国に派遣する必要があると判断。武田の証言から、日本でも資産家宅を狙った、強盗事件を繰り返していた日本人と中国人の混成強盗窃盗団であったことが判明するのである。
その中心人物が、証言している武田であったのだ。
だが実行犯と目される男が、警視庁の捜査に対して、スーパーナンペイ事件と直結する証拠が出て来なかった為、2人ついて現在も捜査が継続されているものの「中国での死刑の執行を一時的に免れるために、虚偽の証言をしている可能性がある」という見方が、捜査関係者の間で生まれてしまい、事件との関係性は打ち消されものはないものの、警視庁の間では2人を有力容疑者と見るむきと、関与性はないと考えるものと、真っ二つに意見が分かれることとなってしまったのだ。

そして、真相を解明されないままに、2010年武田は死刑を執行されることになったのだった。
だが、武田の死刑執行後の3年後となる2012年。生前の武田の証言を元に、事態が再び大きく動き出す。

「現在、カナダに住んでいる中国籍の男。中国・福建省出身の何亮(かりょう)がスーパーナンペイ事件を知っているかもしれない」
と証言していたことが、クローズアップされるのだ。武田と何はもちろん顔見知りで、武田は日中混成強盗団の主犯格とみられており、日本における資産家強盗事件の情報提供者の役割を果たしていたのが何であったことが判明することになる。

2002年4月。武田が偽装パスポートで名古屋空港から香港へと出国した際、何もまた武田と一緒に偽装パスポートで日本から出国していたのだった。
その際の偽装パスポートの名義は「原田隆行」
パスポートの写真は何本人のものであった。

何は2006年にカナダに難民申請しており、永住権を認められて、この時にはカナダに移住していたのであった。

カナダで永住権を取得していた何は、皮肉にもカナダのスーパーで働きながら、生計を立てていたのであった。


(文・沖田臥竜)