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線条痕

平成3大未解決事件 ースーパーナンペイ事件③ー線条痕 沖田 臥竜

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アリバイが成立したことで、粘着テープから採取された指紋とほぼ一致した男が事件発生時、現場にいなかったことが濃厚となった。つまり実行犯であった可能性は極めて低いのである。
しかし男には、相棒と見られる別の男がおり、その男が捜査線上に浮上することになったのだった。男は事件当時に粘着テープが販売された地域で生存しており、その動向は今も尚、捜査員によって把握されている。だが、男が事件に関わっていたとする証拠が何も見つかっていない。結果として、指紋による犯人説は未だ潰しきれていないままとなっているのだ。


線条痕説

捜査が難航した理由として挙げられるのが、遺留物の少なさと言えるのではないだろうか。
粘着テープ以外に事件現場に残された遺留物といえば、殺害に使用された銃弾と10個の足跡であった。足跡のあった床の付着物を調べた結果、微細な鉄分と粘土が採取されており、溶接作業に従事していたか、もしくは鉄工所などに出入りしていた可能性があるとされた。そして靴底は広島県内のゴムメーカーが作ったものだと判明。運動靴など30種類に使われており、多摩地区では当時、パルコの吉祥寺店、調布店などで1万円から1万5000円程度で販売されていることが分かった。
そして、線条痕説から、第二の有力容疑者を呼び寄せることとなる銃弾。
凶器となった拳銃は、現場に残された銃弾から38口径の回転式拳銃と判明。線条痕などから、フィリピン製のスカイヤーズ・ビンガムであることが特定された。事態はここで思わぬ方向へと進むことになる。

きっかけは、2002年11月。名古屋市内で現金輸送車が襲撃され、犯人が現行犯逮捕されたことにあった。
犯人の名前は、中村泰。國松警察庁長官狙撃事件で一時、有力容疑者として浮上した男であった。
中村泰は現在、逮捕された前年。2001年におこした同様の事件で、生涯で2度目となる無期懲役を務めているのだが、2002年に逮捕された際、押収された拳銃の中から、ナンペイ事件で使用された弾丸と線条痕が酷似した拳銃が発見されたのである。

奇しくも、スーパーナンペイ事件と國松警察庁長官狙撃事件は、同じ年の1995年に発生したのであった。


(文・沖田臥竜)