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スーパーナンペイ事件

平成3大未解決事件 ースーパーナンペイ事件①ー 沖田臥竜

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「おいっ」
暗がりの中、2人の男は傍目にも切迫した様子だった。若い男の低い声が、それらを物語っていたのであった。

大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件
【概要】
95年7月31日、八王子市のスーパーナンペイでパート従業員の稲垣則子さん(47)、館高校2年、前田寛美さん(16)、桜美林高2年、矢吹恵さん(17)が射殺された。麻薬密輸罪で中国で死刑執行された元死刑囚の日本人の男が、2009年に警視庁の聴取に対して「カナダ在住の中国人の男が実行犯を知っているかもしれない」と証言したため、13年11月にカナダから移送。旅券法違反容疑で逮捕したが、有力情報を得られないまま同法違反で有罪判決を受けてカナダに戻った。
公訴時効(2010年7月)直前の2010年4月に、殺人罪などによる公訴時効が撤廃され、現在も専従の捜査員約20人体制で捜査が続けられている。
平成三大未解決事件のうちの一件。


事件現場となったのは、JR八王子駅から北東へ約2キロの中にあった食料品や雑貨用品などを扱う「スーパーナンペイ大和田店」 
略称は「スーパーナンペイ事件」
世田谷一家殺害事件(2000年12月31日)、上智大生殺人放火事件(1996年9月9日)と並んで、平成3大未解決事件の一つとして、現在も未解決のままになっている。
ナンペイ事件を語る際、2つの説が唱えられる。
強盗説と怨恨説。だが、警視庁一課特別捜査本部は早い段階で、怨恨説を潰しきり、強盗事件として捜査を絞っていたと言えるだろう。
その強盗説の中にも、世間の注目を集めた犯人像が大きく分けると3つ存在している。
一つが指紋説。

事件当日の1995年7月30日。スーパーナンペイ大和田店の近所では夏祭りを迎えていたのだが、スーパーナンペイを取り巻くその日の環境は、ただならぬ雰囲気を醸しだしていたのであった。 
スーパーナンペイの両隣は民家と駐車場になっていたのだが、午後9時過ぎ。近くの路上には、切迫した2人の男が目撃されている。後の目撃証言から2人組のうち、若い男の方が「おいっ」と低い声で何かを指示するように、もう1人の男を急かしているような感じだったことが確認されていた。

更に遡ること1時間前となる午後8時過ぎ。店内に向かってピタリと停車した2台の車が前後の車間距離を空けることなく、くっつくような格好で縦に停車していたであった。
近隣住民らに、この2台の車が不審に見えたのは訳があった。そのわけとは、普段そこは買い物客が駐車するスペースではなかったからである。
2台の車が停車する位置からは、店内の様子や4台のレジがはっきりと確認することができた。
他の目撃情報からもその2台の車は、午後9時過ぎになっても同じ場所に停車していたことが判明しており、また別の住人には午後9時15分ごろ、2台の車が急発進して走り去るのを目撃されている。
2台の車が停車し続けていた午後8時40分ごろ店内でも、買い物に来ていた主婦が不審な男を目撃していた。
スーパーナンペイの営業時間は、午前10時から午後9時までとなっており、午後8時40分と言えば閉店間際ということになる。そのため、店内には子連れの主婦と店内の通路を行ったり来たりしている不審な男だけであった。子連れの主婦は買い物を済ませると間もなく店を後にしている。
残った男は買い物をする様子もなく、店内の通路を行ったり来たりを繰り返した後、食肉売り場と鮮魚売り場の間の通路を抜けて、店の出入口とは真逆の従業員専用の通用口から姿を消したのであった。
その男の身長は、165センチから170センチくらい。事件直前の午後9時過ぎに、近くの路上で目撃されていた2人組の1人と着衣が酷似していたのであった。

(文・沖田臥竜)