>  > 『反社』の隣人 ースクープは眠るー⑯ー遂に封切りー 文・沖田 臥竜
ある横領事件

『反社』の隣人 ースクープは眠るー⑯ー遂に封切りー 文・沖田 臥竜

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それは去年の七夕のことであった。介護事業の会社で働いていた人物が会社の金、約1億円を横領したとして逮捕されるのである。
仮にその人物をDとしよう。当時、Dは犯行動機について、自身のストレスとDの部下のストレスを発散させるために犯行に及んだ、と供述していた。
確かにDは供述通り、着服した会社の金で4人の部下たちに高級車や腕時計などをプレゼントし、果ては部下たちが自由に出入りできるマンションまで購入していたという。ストレス発散にしては多少行き過ぎの感も否めないが、決して供述と異なるわけではない。
ただ、問題はストレス発散ではなく、Dは部下の4人の男性に貢いでいたのではないかと言うところにある。

「Dの逮捕の一報を耳にした時、4人の男性に貢いでいたな、と思いました。それはD自身が同性愛者だからです。ボク自身少年時代にDの地元の長崎で、彼から、一生遊んで暮らして良いので付き合わないか、と言われたことがありましたから。当時、彼もボクも十代でしたが、彼から十数万円は貢いでもらうというか、奢ってもらった記憶があります。もちろんボクは同性愛者ではないので、Dと付き合うなどということはなく、きっぱりと断りましたが、、、」(Dを知る関係者)

ただDの逮捕により、当時事態は思わぬところに飛び火してしまうのだ。その飛び火した先とは、一本の映画であった。Dの逮捕が公になったことで、関係者の間で、一本の映画が見送られるのではないかと囁かれていたのだ。

「Dの弟は、映画監督をしているのです。奇しくもこの頃、監督が原案を務めた実体験をベースにした映画が撮影されていたんです。それは兄弟を軸にしたヒューマンドラマで、舞台は長崎県だったんです。弟の妻役には、監督の実際の妻の女優が起用されています。兄はもちろん逮捕されたDということになるわけです。それだけに、一体どうなるんだろうと噂になっていたのです」(芸能ジャーナリスト)

弟である監督が、横領事件に関わったわけではない。ただ、兄が横領事件を起こしたというだけで、そこに咎められる理由は存在しないはずだ。関係者らの話しが事実であるとするなら、要するにタイミングの問題となったのではないだろうか。ちょうど実体験を基にした映画を作っている最中に、Dが横領事件で逮捕されてしまう。そこが問題となったのではないだろうか。

だが、それらは全て杞憂に終わり、現在、封切りされて、全国で公開されている。
著者は、現在上映されている作品について、こうした背景を明るみに出し、何らかの批判に繋げたいわけではない。関係者らの間で、話題になっている話しだ。早かれ遅かれこうした事情が世に出ることは、十分に予想されていただろう。
だからこそ、逆にそうした背景を知った上で、映画を観れば、より深く主人公のリアルティーが伝わるのではないかと思う。

映画や小説とは、まさにそういったところに醍醐味が生まれるのではないだろうか。


(文・沖田 臥竜)