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ーボイコットー

懲役に咲く!傑物ども ー文政パートⅢ ーボイコットー 第8話 文・沖田 臥竜

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元プラチナの会長はある日、突然、配下の組員全員からボイコットされてしまい、一国一城の主から1人親方の身分になってしまう。
事態を重く見た本家は、1人親方となった会長を除籍。配下の組員たちは、NO2の幹部が纏める形で、別の有力組織へと移籍することで、収拾が図られた。
だが元会長は除籍後も、地元の繁華街を半グレのような若者たちを引き連れて、我がもの顔でのし歩いた。その時の若者たちが、他ならぬクラクション男らなのである。

配下の組員全てにボイコットを起こされた元会長であったが、実の弟。元会長の実弟だけは、手の平を返さなかった。ただ実弟は厳密に言えば、組員ではない。かと言って、すっカタギというわけでもない。兄であるプラチナの会長の威光を借りながら、クラクション一味を束ねる半グレの先駆けであった。
そして兄が本家から除籍されると、兄をトップとした半グレグループを形成させたのである。

そこに示しがつかなくなったのが、有力組織に移籍していた元配下の幹部らであった。
その場所は、決して元会長の縄張りではない。組織の名の下に組員が集い、多くの血と涙と汗を流して根付いてきた場所なのである。どんな形であれ、本家から除籍されたのであれば、地盤を受け継いだ幹部たちに譲らねばならない。そこをクラクション一味を連れて、我がもの顔で歩かれれば組織人である以上、上層部に対しも示しがつかなくなるのだ。

幹部らからしても、一度は親や兄と仰いだ相手だ。静かにさえしてくれていれば、多少のことなら目も瞑ったはずだ。だが、元会長らの傍若無人は、組織という鎖が外れたことで日に日にエスカレートしていき、外部からも苦情が出るようになってしまっていく。ここで意を決した幹部は、配下の組員2人を引き連れて、元会長を襲撃するのである。
この襲撃により、元会長は被害届を出して幹部ら3人は逮捕。後に幹部らは起訴されて、服役することになってしまう。

立ち位置こそ違えど、クラクション男は、そうした手口を脈々と受け継ぎ、大阪生野に持ち込んでしまったのだ。

クラクション一味は、クラクション事件後も怯えてみせるどころか、世間が眉間にシワを寄せるような悪事を繰り返していた。

だが、それも長くは続かなかった。何故ならば、生野が生んだスーパースター文政が、5年の服役を務め終え、社会へと帰ってきたからである。
クラクション一味に不運が重なったとすれば、文政だけでなく狂犬Nも同時期に長期服役から戻ってきてしまったことだろう。

更にもう1人。その乱暴さから、幼き頃よりジャイアンの異名を持つ男まで、帰ってきてしまったのだった。

不運というのは、続くものである。

文・沖田 臥竜