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ー全員逮捕ー

懲役に咲く!傑物ども ー文政パートⅢ ー全員逮捕ー 第7話 文・沖田 臥竜

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親分衆は内心、失笑したのではないだろうか。
一国一城の主である自分たちに対して、素性を知らせたにも関わらずに、道をあけるどころか、同じ代紋の別の二次団体を名乗ってみせたのだ。こんな世間知らずがよく社会で生活できているものだと、逆に驚いたかもしれない。

現場に駆けつけてきた幹部らは、クラクション男を怒鳴り上げた。

「相手は誰か分かっているのか!」

クラクション男は、そこでも駆けつけてくれた幹部に対して言い返している。クラクション男の言い分を要約すれば、自分の女に手を出されたので許せない。許せないから、警察に被害届を出すというものであった。ヤクザの代紋がダメなら、今度は桜の代紋を出したのだ。

これには、現場に駆けつけた幹部らが激昂。九州から流れてきたクラクション男の面倒を見て、現場となった土地に住めるようにしてくれたのは、駆けつけてくれた幹部らである。それを叔父貴筋相手に勝手にケンカを売り、自らの組織名を軽々しく口にされ、慌てて現場に急行すれば、警察を持ち出して言い返してくるのだ。
誰だって頭にきて当然ではないか。

「そんなことをしてみろ!生野から放り出してしまうぞ!」

そうなのである。そこは、スーパースターを生んだ街。大阪は生野区であった。しかし残念なことにその時、文政はいない。文政どころか、ケンカキングバッテツも狂犬NもストリートファイターKも、全員服役中だったのだ。クラクション男が突然変異的に発生してもおかしくない状況であったと言えなくもない。

クラクション男は、生野から放り出すと言った幹部にも当然かのように逆らい続けた。たまらず幹部はクラクション男を殴りつけた。

結論から話そう。クラクション男は、幹部に殴られたことも警察に被害届を出し、結果的に親分衆3人も組員たちも、現場に急行してきた幹部たちも全員逮捕されてしまうのだ。
そしてメディアでは、車の進路を巡ったトラブルから、親分衆サイドが一般市民の女性に手をかけたかのように報じられたのである。
その挙句、クラクション男の要求は金であった。被害届を取り下げて示談にして欲しければ、大金を支払うように要求してみせたのである。

この頃には、クラクション男の地元からクラクション男を頼り、クラクション男と同じような若者らが生野に住み着き、クラクション一味を形成。覚醒剤を捌いたり、ケンカを売っては被害届を出して金をせしめたりと、やりたい放題の限りを尽くしていたのである。

ただクラクション男は、生野へと流れてきてから突然変異したわけではない。地元九州のある地域でも同じようなことをやってきていた。
結果として、それで地元に住みづらくなり、流れついた先が大阪生野区だったのだ。クラクション男が殴られたことで、被害届を出した幹部と知り合い、その幹部のツテで生野へと住めるように面倒を見てもらったのだ。
それを見事にクラクション男は、恩を仇で返してみせた。

救えないといえば、これほどまでに救えないこともないだろう。

持って生まれた性質なのか。環境がそうさせてしまったのか。多分、どちらもだろう。

クラクション男が九州の地元で半グレのようなことをやっていた時代。そのグループのトップは、元プラチナの会長であった。


文・沖田 臥竜