>  > 『反社』の隣人 ースクープは眠るー⑨ ー幻の4姉妹ー 文・沖田 臥竜
ー幻の4姉妹ー

『反社』の隣人 ースクープは眠るー⑨ ー幻の4姉妹ー 文・沖田 臥竜

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3姉妹で売り出した彼女たちは、その美貌から見事に開花し、モデル界のカリスマへとなることに成功してみせたのであった。
姉妹3人が揃ってスタイル抜群な上に美人なのである。それはある意味に置いて、必然の成功であったとさえ言えるかもしれない。
だが、誰もが羨む3姉妹には、一つの厄介ごとがあった。その厄介ごとは、いつしか封印されることになり、なかったことにされてしまうのである。そのなかったことにされてしまったのある人物。
その人物を仮にBさんとしよう。Bさんはどうしても、なかったことにされてしまっていることが許せなかった。

「私たちは4姉妹なのよ!!!」

と世間に叫んで公表してやりたかった。

そう彼女たちは世間的に3姉妹ということで通っているのだが、実はBさんを含めた4姉妹だったのである。
それを何故、Bさんの存在を封印してまで、3姉妹としなければならなかったのか。
簡単である。Bさんが、他の姉妹たちにとって、どうしようもない存在だったからである。

なかったことにされてしまったBさんはどうしていたかと言うと、あるソープで嬢として勤めていたのである。
それだけで既に十分、3姉妹にされてる理由がビシビシと伝わってきそうだが、Bさんのどうしようもなさは、決してそれでとどまらない。

4姉妹なのに3姉妹にされたことに親近憎悪を滾らせてしまったのか、どさくさに紛れて自分も名実共に姉妹の仲間入りを果たしたかったのか、本来ならば隠したいはずの素性を自らネタにして、ある報道関係者らにタレこんでみせたのでる。
多少の腹癒せになる可能性もなくはないが、それが世に知れ渡ったからと言って、Bさん本人が報われることはない。
逆にBさんのプライバシーに影響を及ぼす可能性の方が高い。
よしんば姉ちゃんや妹が、もしかすると少しだけ、嫌な気持ちになる可能性はあったにせよ、所詮は本人の問題である。
3姉妹の彼女たちがモデル業をやりながら、実はソープ嬢だったというわけではないのだ。

タレ込まれた報道関係者らは協議した結果、満場一致でBさんの訴えを退けた。Bさんはやはりそこでもなかったことにされてしまったのである。

姉ちゃんや妹に、一矢報いようとしたBさん。
今でも嬢として、どこかのソープランドで働いているのかもしれない。

文・沖田 臥竜