>  > 『反社』の隣人ースクープは眠るー ④ 文・沖田 臥竜
ー恐喝はヤクザのメシのタネ⑴ー

『反社』の隣人ースクープは眠るー ④ 文・沖田 臥竜

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ー恐喝はヤクザのメシのタネ⑴ー


脅して金銭を要求する際のリスクとなるのは、警察である。恐喝とは如何に被害者が警察に駆け込まない、もしくは駆け込めない状況を作り出せるかどうかにかかっているとさえ言えるだろう。
その為には如何にして被害者の弱味を握れるか。
仮にもし警察で被害届を出そうものなら、その弱味を世間にブチまけてそれ以上の打撃を与えてやるぞ、と圧力をかけて脅すのが恐喝における常套手段なのだ。
意外にも暴力団に弱味を握られ、ヤクザから脅された経験のある有名人は少なくない。


Bは別れた妻と子供の話になると、所構わず号泣して見せることで有名であった。ある週刊誌の対談でも、話題が別れた妻と子供になると突如、号泣してしまい、「B!号泣!」と派手な見出しが紙面に踊ったこともあった。

当時のBは覚醒剤患者の末期症状であり、様々な仕事をドタキャンしたり、すっぽかしていた。
スポーツ新聞と結んでいた契約も、解約寸前というところまでいってしまい、そこにきて某週刊誌がBの覚醒剤疑惑を大々的に報じたことで、彼はいよいよ精神的にも金銭的にも追い詰められていくことになるのである。

そうした極地にある当時のBに救いの手を差し伸べたのが、ある人物Zであった。

Zの取り持ちで、Bはある人物を紹介してもらうことになる。
その人物。Cは正式に組員として登録されていなかったために、周辺者ということになるのだが、実際には組員と変わらない立場であり、その影響力はヤクザ業界のみならずならず、芸能界にも及ぶほどであった。

Zの依頼でBの力になることを決めたCは、ある芸能プロダクションの社長XにBを紹介し、「Bの面倒を見てやってくれ」と頼んだのである。

Bは有名人である。ファンも多い。覚醒剤に手を染めてさえいなければ、すぐにでもマネージメント契約を行ったであろうが、当時のBは覚醒剤に溺れ仕事ができるコンディションではなかった。
重ねて業界内ではBの覚醒剤による逮捕は間違いないとまで囁かれており、そう易々とBとマネージメント契約を結ぶわけにはいかない。かと言って世話になっているCからの頼みである。無下に断ることもできない。
悩みぬいた結果、XはBに対して「パチンコ屋などのドサ回りからになるが2人で頑張ろう」と話し、実際にBの面倒を見ることを決意するのである。

そこでもBは感極まり、男泣きするのであった。


文・沖田 臥竜