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SMクラブ愛好家

反社会的勢力の隣人 文・沖田 臥竜

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ーSMクラブ愛好家ー

誰もが知る国民的スターAには、もう一つの隠された顔があった。隠されたというよりも、本人が隠したいのである。何故か、単純である。性的欲求として恥ずかしいからだ。その隠された素顔とは、ズバリSM好きなのである。

人にはそれぞれ嗜好が異なるように、性欲についても様々だ。女子高生のパンツを盗撮して興奮する者もいれば、異次元の領域とも言えるスカトロプレイをこよなく愛する変態だって実際、存在する。
たまたまスターAのエクスタシィを感じさせるのは、全国民が知れば幻滅するであろうが、SMプレイだっただけのことだ。

国民が幻滅しようがしまいが、それは本人の勝手である。好きなのだから仕方あるまい。
しかし過去、SM好きが興じてしまい、本人の勝手で済まない失態を犯してしまっていたりするのだ。

スターAが渡米するかしないかの人気絶頂期の頃、Aは自身の快楽を満たす為に、某SM倶楽部に客として訪れている。
SMプレイには、誰しもが認識として知っているように、攻める側のSとムチでぶたれたりヒールで踏んづけられたりするのが専門のMに分かれる。
スターAの嗜好は前者。つまり攻めるタイプだったのだ。

その日のスターAも、SM嬢を攻めるに攻めていた。

「オラオラ、俺様の言うことをききやがれ、このメス豚め!」

と言ったか言わなかったかまでは知らないが、興奮していたのは間違いないだろう。
攻めたてるスターAの興奮は次第にエスカレートしてしまい、S役のプレイを演じているだけのはずだったのに、役に入りこみすぎてしまったのか、タガが外れてしまい、スターAの変態プレイは次第、暴力へと変貌を遂げてしまったのだ。

相手が地位も名声もある国民的スターとはいえ、暴行を受けた嬢は、流石に黙っていなかった。
嬢の逆襲である。配役的にもSとMが入れ替わる形になってしまったのだ。
不運は更に続く。そのSM倶楽部は、何をかくそう業界でも武闘派として知られる有力組織が背後に関係していたのだ。
仮にスターAの嗜好がSではなくMならば、この上ないシチュエーションだったのかもしれない。
だがスターAはSである。攻められて興奮するタイプではない。警察へと相談すれば、間違いなくSM好きであることが、世間に知られてしまう。それどころか警察へと相談すれば、間違いなくスターAは被害者ではなく、加害者となってしまうだろう。
散々、頭を悩ませた挙句、スターAが頼った先は、同じ業界の大先輩となるビックネームBであった。

ネームBはBで大スターである。スターAがネームBを頼ったには理由があった。それはネームBの背後関係には反社会的勢力の影がちらついており、業界内でも既定事実として言っても良いくらいは有名だったからだ。
だからこそ、スターAはネームBを頼りにしたのだろう。
結果として、スターAは救われるのだが、Aはやはりスターだけあって、運を持っていたのだろう。
いくらネームBが、反社会的勢力であるヤクザと密接な関係にあったとしても、ヤクザ組織とて様々あるのだ。
SM倶楽部の面倒を見ていた組織とネームBが良好な関係にある勢力とが異なっていれば、仲立ちをしようにも出来なかったはずだ。だが、それが同じ組織だったのだ。
つまり、SM倶楽部を面倒見ている組織とネームBの付き合いをしてる組織が同じ組だったということだ。
無論、いくら付き合いがあるネームBの頼みとはいえ、相手はヤクザである。
商品を傷モノにされれば、怒鳴りこんでくるのはカタギもヤクザも関係ない。背後では幾ばくかの金銭が動いただろう。
それでもスターAからすれば、安いものである。
当時、一部の週刊誌がスターAの変態ぶりを軽く報じただけで、事件そのもの。そしてネームBの仲立ちは公になることなく、闇の彼方へと葬りさられていったのである。

スターAはこの事件で性欲を改めたのか、今では夫婦仲睦まじく、海外に女子大生の彼女がいるだけに留めているという。


文・沖田 臥竜