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山口組組員アンケート

徹底的な管理体制が推進された六代目体制

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山口組組員アンケート


 六代目山口組分裂より2、3年前のこと。おそらく山口組がはじまって以来、初の試みと思われる組員アンケート調査が実施されたことがあった。対象は二次団体の直参以上。アンケートを書き終えた者は、順次、所属組織の執行部へ提出し、それをまとめて、各ブロック長の組事務所に臨時に設置されたアンケート回収箱に入れるものとされた。
質問内容は『シノギは何をしてるか』や『現在の正直な気持ち』と赤裸々なもので、A4のアンケート用紙を渡されながら、どの組員も「会費が高いとか、当番がしんどいとか、どんなことでも正直に書いて良い」と言われたという。だがそこはヤクザ社会だ。
そんなことを言われ好きに書く組員がいるのだろうかと思われるのだが、本当に好きに書いてしまったという関西某組の幹部に話をきくことができた。


「親分にえらい怒られたがな(笑)。『匿名やし、誰も一切見いへんから、正直な気持ちを書くように』言われてな、筆跡でバレたらアカンから、ワープロ打てるカタギの知り合いに打たして書いたんやけど、提出した順番で誰が書いたか割り出して、全員分読んだらしいわ。そんで『お前、バカ正直に書くバカどこにいとんのじゃ!』て、大目玉くろたがな。ワシ以外のモンは皆、『任侠道に邁進します』とか書いてたらしいわ」


 ちなみに、実際にどんな回答をしたのかが気になって「なんて書かれたのですか?」と尋ねたのだが「また怒られるがな」と笑って言われ、その内容までは教えてもらえなかった。
他にもこのような調査も行われたことがあるという。


「分裂の3年くらい前ですかね、『手に職をある者は全組員申し出よ』という本部通達がありました。ようは、ペンキ屋はいないかとか、鳶はいないかとか、大工はいないかとかです。なぜそんな通達が出たのか説明は一切なかったので、これは自分の推測ですけど、多分、暴排条例でさまざな業者を今後、使えなくなった時の対策として出されたものではないかと思います。一般の会社に頼めなくなった時の備えではないでしょうか」


 この暴排条例が施行された2012年頃には、ほかにもさまざまな本部通達があったという。


「嫁や子供といった身内を銀行に行かせ、夫がもしくは父が暴力団なのだが、口座をつくることが可能かどうかあたれ、という本部通達もあった」(関係者)


 また、今では末端の組員の逮捕で、総本部に家宅捜査が入る事例が増えてきてたが、これに対しても対策案となる本部通達が出されたことがあったようだ。


「ある二次団体(当時)の組長がパクらたことがあったのだが、逮捕容疑は運転手をやらせていた行儀見習いの人間が組から飛ぶのに警察に飛び込んでのものだった。それが、カタギの人間に当番業務を強要したという容疑になって逮捕されてしまった。運転手をさせていたのだから、組長を乗せた車を運転して総本部にも出入りしていたことになる。それで総本部のみならず、名古屋の本家にもガサが入ってしまった。それ以降、盃をやって5年未満の人間は総本部に出入り厳禁という通達が出され、ヤクザをやって何年かなんてことを書いて提出したこともあった」


 リスクマネジメント型本部通達の典型的な例ではないだろうか。その意味では、当時の六代目体制を象徴するような本部通達だったのかもしれない。同じくリスクマネジメント型のものとしては「振り込め詐欺系に手を染めると、一発絶縁」というものもあったようだ。


山口組ほどの大きな組織が、本気で振り込め詐欺に手を染めでもしたら、現状はもっと悲惨な状況だったのではないだろうか。

他にも六代目体制発足時には、こういう取り決めも出されていたという。


「掛け合い(ヤクザ同士の交渉)に連れていけるのは3人まで。時間は8時まで、という通達が来たことがあった。それも山口組の分裂で無くなっていった」


徹底した管理は、山口組が分裂するという非常事態に入り、一時は緩和された側面もあったと話す関係者もいるが、それが現在では元に戻りつつあるという。分裂騒動も終焉に近づいてきているということだろうか。

(R-ZONE編集部)