山口組組員にとって最も気の抜けない24時間
六代目山口組分裂当初、名古屋にある司忍組長宅。通称、本家に総本部を移すのではないかという噂が流れ、実話誌の記者やマスコミ各社の取材陣が名古屋に張り付いていたことがあった。
結果として、それらはすべて誤報にしか過ぎなかったのだが、六代目山口組分裂までその本家で、直参の組長らで行われていた名古屋当番というのがあったというのだ。
関係者筋の話では、基本、名古屋当番(本家当番)は24時間の持ち回り制で、六代目山口組の執行部、及び舎弟、幹部は免除され若中の直参組長たちで回されていたという。
警察筋の情報では、各組織のトップの他に、同行者2名の同伴が義務づけられており、その2名も司組長宅に家宅捜査が入ってからは、二次団体の執行部ではないといけない、という取り決めとなっていたようだ。
「当番者は、本家2階の一室に詰め、当番中はその2階からむやみやたらに出たり入ったりする事を禁じられていた」(六代目山口組関係者)
取り決め事項も細かに決められており、司組長の在宅中は、夜間にトイレの水を流してはいけない、という事や、付きの組員が司組長と視線を合わすことも禁じられていたようで、ベテラン組員の間ですら、「一番気を張る当番」とまで言われているらしい。
「交代時に、次の当番の組織が入ってくると、心底ほっとします」(六代目山口組系組員)
また当番責任者となる直参の組長は夜、仮眠をとる事ができたというのだが、付きの2人はモニターを監視していなければならないらしく、睡眠との戦い、という関係者の声もあった。
なお当番責任者の組長によって、その他の細かい決まりは変わってくるらしく、許しがあればベランダの隅でタバコを吸うことができるという組織もあれば、タバコも私用の電話も一切いけない、という声もあった。
「ちなみに、ウチが当番で本家に入っているときは、親分(当番責任者である直参組長のこと)の指示で携帯電話の電源も切っています」(前出・組員)
また司組長専用の暖簾などもあり、そこの暖簾を下部の組員がくぐることは禁じられていたようだ。
「滅多に電話が鳴ることはないと言われていたが、仮に万が一、電話が鳴れば『司です』と出るように規律事項に記されていた。でも、その後どういう対応をとれば良いかまでは指示されてなかったので、とにかく当番中は祈るみたいに、電話が鳴るな、鳴るなと呪文のように唱えていた」(関係者)
いずれにせよ、一般人が興味本位で立入れる場所ではないことは確かである。
(R-ZONE編集部)