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アポ電強盗殺人事件

特殊詐欺から凶悪な変貌〜アポ電強盗〜

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アポ電強盗殺人事件

今年2月、東京都江東区で起きた強盗殺人事件。通称「アポ電強盗殺人事件」。逮捕された男3人のうちの2人、須江拓貴容疑者(22)と酒井佑太容疑者(22)は、犯行後も周囲に対して「証拠隠滅したから大丈夫」と口にしていたという。
自分たちが死の淵、つまり強盗殺人で逮捕され起訴されば、無期懲役か死刑のどちらかしか残された道はないにもかかわらずだ。
もともと2人は「オレオレ詐欺」といった特殊詐欺に手を染めており、地元長野県内の一部では「億を持っているらしい」と噂が立つほどの評判だった。
それだけ悪事を働いてきたが故だろう。

一方でそうした羽振りの良さから素行の悪さに、目に余るものがあったようで、地元の現役組員の反感を買うようなこともあって、組員から躾けを受けていたこともあったようだ。

事件後、ある組織が須江や酒井が悪事を重ねていたと言われる特殊詐欺グループのバックとなるケツモチをしていたのではないか、と噂にあがったこともあったが、実際その組織が関わっている事実は見当たらない。しいて言うならば、2人が大阪のヤクザとして「ボス」と呼んでいた人物の存在くらいではないだろうか。この「ボス」の住居に逮捕前まで須江も酒井も居候していたと見られている。
この「ボス」も現在は社会不在を余儀なくされている。仮にこの「ボス」が現役の組員であれば、アポ電強盗殺人事件の関与云々は別としても、組員を徹底的に取り調べ、突き上げ捜査を行い、逮捕者は「ボス」だけに留まっていなかったのではないか。

社会問題にまで発展した特殊詐欺は、「出し子」や「かけ子」など様々な言葉を世の中に広め、未だに手を替え品を替えしながらも、一向に被害がなくなる気配を見せていない。だが実際、事件のとっかかりとなる「かけ子」たちには、微妙な変化が見られ始めているようだ。

少しでも頭が切れる者は、より巧妙かつグレーゾーン内と特殊詐欺グループ間で言われている不動産を題材にした「物上げ」のテレアポに進み、暴力を背景に乱暴なヤマを踏んででも金を手にしたいものは、アポ電強盗のような既に特殊詐欺の領域を遥かに超えてしまった方へと流れてしまっている。
ただどちらにも言えることだが、ターゲットとするのは富裕層の高齢者に絞りこんでおり、大金を毟りとることに一切の呵責がないことだろう。


(文・沖田臥竜)