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実質的な司法取引か

菱のカーテンの向こう側〜実質的な司法取引か〜

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実質的な司法取引か

1月23日神戸地裁。9時45分から開廷された裁判員裁判は閉廷予定であった16時45分を過ぎても終わる気配がなかった。傍聴席の最前列にはその筋の関係者と思われる人物らが陣取り、裁判員の間にも心なしか緊張が伝播しているかのように感じさせられた。それは証言台に立った証言も同様で、検察側、弁護側の双方から、証言する声が小さいと注意される場面があったほどだ。
証人は自称『何でも屋』。瓦屋から解体屋、果てはコピー商品の売買まで手がけていると述べている。

証人が証言台へと立った事件とは2017年6月。神戸山口組 井上邦雄 組長の別宅に六代目山口組四代目倉本組幹部らが銃弾を撃ち込んだ事件だ。
その後、逮捕されたのは指示役として、四代目倉本組副本部長 中井こと岸脇和義被告。実行犯として同じく同組若頭補佐 中山被告、四代目倉本組 三代目小船谷組 若頭 渡辺 被告の3人。既に逮捕時、県警サイドから漏れ伝わってきた話では別の容疑者が全て事件について供述していると言われていたのだが、その容疑者こそ今回、証人として出廷した人物である。


「証人いわく、知り合いの解体業者から岸脇被告を紹介してもらって親しく付き合うようになったと供述しており、20万円で犯行に使われビッグスクーターを車で運ぶ依頼を岸脇被告から受けたと述べています。これについては岸脇被告も認めているようで、ただ井上組長の別宅を銃撃することまでは知らなかったと岸脇被告は容疑を否認しています」(ジャーナリスト)

実行犯の中山被告と渡辺被告の2人はビッグスクーターで井上組長の別宅へと行き、渡辺被告が発砲。
渡辺被告が発砲した理由として、2017年4月に起きた三代目小船谷組組長銃撃事件が関係していると話している。
渡辺被告が若頭を務める三代目小船谷組長が三重県津市で覆面した4人組に襲われるという事件が起きているのだが、この時、渡辺被告自身も覆面をした4人組に怪我を負わされている。しかし三代目小船谷組組長の方が怪我の被害が重かったようだ。この事件は未だに解明されていない為、犯人については様々な憶測が取り沙汰されているのだが、事件直後から神戸山口組サイドによる犯行ではないかと噂されていた。その為に、報復の意味合いからも渡辺被告が発砲したと言う。

「証人は犯行に使われたビッグスクーターを証人が用意したハイエースに乗せて運んだとして、道交法(無保険 無車検 運転)で逮捕起訴され執行猶予期の判決を受けている。ただハイエースでビッグスクーターを運んでいる車内で、実行犯の2人の会話で井上組長の別宅を弾いてきたことを聞いていたと言うのだ。犯行後も岸脇被告から、神戸山口組でも上層部しか知らない井上組長の別宅の住所を県警関係者から聞き出した、一部の上層部しか知らない別宅を弾いた功績は大きい、などと聞いたとも話している。
真相はどうであれ、ある意味証人も事件に深く関与している印象が強い。事件の全貌を自供したことで、それらの罪を免れたのではないか。まるで司法取引のようだ」(法律に詳しい専門家)

今後もこうした実質的な司法取り引きとも受け取れる審理が、行われるケースも出てくるのではないだろうか。3人に下された一審判決は懲役7年であった。


(R-ZONE編集部)