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上京物語

沖田臥竜エッセイ 『茜いろの日々』

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上京物語

年末年始、例年以上に酒の席が続いていた。既に12月上旬には体調を崩しており、熱が出ていたのだが酒を呑んではサウナで酒を抜き、ほっとけば治るくらい安易に思っていたのである。
結論から言おう。そんなことをすれば治るどころか確実に悪化する。
お陰様で2度も病院に行くハメになり、検査のために入院を勧められることになってしまった。
しかし上京が決まっていたので、呑気に入院する暇などない。適当に投薬を呑み、来たるべき日に備えることにしたのである。

本来、東京での会食や打ち合わせを考えると月に一回は上京しなければならないのだが、いつもかけ声ばかりでなかなか行かない。その為、上京した際には会食や打ち合わせの強行軍になってしまうのだが、体調不安視される中で、ハタと気がついた瞬間があった。
それは一緒に上京した後輩のたーくんと同じく後輩のしんちゃんと、お世話になっている社長と編集者の方々に新年会でお招き頂いている最中のことであった。
酒がうまくなってきていたのだ。と言うことはだ。熱が下がっているということである。
翌日、尼崎から東京に行っている後輩や私の上京に合わせて別で上京していた友人たちと合流した時には、「元気ですよね〜」とさえ言われてしまった。
人様に「元気ですね」なんて言われたのはいつ以来であったろうか。常に「また熱ですか?」と言われ続け、熱くらいでは誰も心配してくれなくなった身分の私にとり、元気ですねの一言はまさに新鮮そのものであった。

最終日、中華街でお世話になっている蜷川先生と出版社の社長とたーくんと新年会を済ませて、東京で再び後輩や友人と合流した時には、すっかり熱が引きプライベートを満喫することまで出来たのであった。

その昔、経済は東京、食は大阪と言われる時代があった。だが時代は確実に変わった。食も決して大阪が東京に優っているとは言えなくなってきている。

今回の上京で2人からある決断を打ち明けられた。それはある意味、それはショッキングな出来事でもあり、同時にその決断が逞しく思えた。
いつかは東京に移住しようと考えて、数年が経っている。まだまだ理想通りに羽ばたけず、大きな決断を下すことが出来ていない。それに私1人の問題ではない部分も多い。
私のことを好きな人間が哀しむのである、、、かどうかは知らないが、こっちの方がまあまあ哀しいのだ。
それは2人にも同じであるはずなのに、2人にそんな躊躇はなかった。

私は自分のことを大事にしてくれる人間や必要とする人間、もっと分かりやすく言えば私を好きな人たちのことが大好きである。同時にそんな人たち全てに成功して幸せにあって欲しいと思っている。
逆に他は一切興味がない。人生には時間が限られている。他のことを考える余裕などないのだ。
好きと言って大事にしてくれる人たちだけを大切にしていければ良いと思っている。

いつも上京すると新たな仕事や新たな出会いがある。
毎年言っているが、今年こそはなるべく東京での会食や打ち合わせや仕事をため込まず、適度に上京して関西弁を標準語にかえていこうと思っている。もちろんウソだけれども...。