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ぶっちぎった方向音痴

沖田臥竜エッセイ 『茜いろの日々』

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ぶっちぎった方向音痴


ある事柄で急遽、京都へと向かうことになった。
基本、私は自分で車を運転しない。もちろん免許は持っている。なんなら3回も取り直した。
だけど極力、車を自分で運転しない。運転すると周囲に大変迷惑がられたりもする。なぜか。
すげえ方向音痴だからである。それもそんじょそこらの音痴ではない。どこに行っても必ず道に迷う筋金入りの音痴なのである。
誰しも安易にこう思うはずだ。

ー今はカーナビもあるし大丈夫だろうー

と。舐めてはいけない。この筋金入りを舐めてもらっては困る。
私クラスの筋金になると、ナビごときの言うことを利かないのである。
もちろん目的地はちゃんとセットする。だがそう易々とナビゲーションされたりはしない。

「分岐を左ですー」

なんて言われてもフンと鼻で笑って大概ムシしてやる。「Uターンです、Uターンです」なんて連呼してきても動揺なんて決してしない。

「うそつけ」

ぐらいにしか思わない。するとどうなるか。単純である。道に迷うのだ。

それが今回滅法この勘が的中してしまい、迷わず目的地へと着いてしまったのだ。思わずその快挙をタイムラインを読めるしもじもに知らせてやるか、とタイムラインにアップまでしてやった。

結論から話そう。それが間違いであったのだ。すっかり傲慢になってしまった私は、オノレが筋金入りだという事もすっかり忘れ、帰り道に鼻歌なんかを歌っていたのである。

適当に乗った高速で直ぐに気がついた。
「Uターンです」
そもそも適当に高速など乗るものではない。走れば走るほど山の中へ突き進み、一体どこへ向かっているのか自分でも分からなくなってしまったのだ。
時折、「Uターンです」と知ったように喋り出すカーナビにイラッとしながら、とにかく高速から降り近くのコンビニの駐車場に車を停めて、タイムラインを書き込んだ。

「道に迷った...」

すると、ほら見たことかと、タイムラインを見ていた数人から電話がかかった。

「どこ走ってるんですか?」

以前もこういうシチュエーションを演出してしまい、山の中まで救出に来てもらったことがあった。

お陰さまで今回、人生初の1人サービスエリアを利用し、記念にたこ焼きを買って1人たこ焼きを食べることになってしまった。
そこで食べたたこ焼きの味はきっと忘れないだろう。