>  >  元入院患者が語る!「薬物依存症」治療病院の実態
入院中の治療プログラムは、具体的にどのようなものなのだろうか?

 元入院患者が語る!「薬物依存症」治療病院の実態

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 女優三田佳子の次男、高橋祐也が覚醒剤取締法違反・使用の疑いで4度目の逮捕をされた。そのニュースを見て「薬物依存治療病院に入ればいいのに」と語るのは以前、同病院で「薬物依存治療プログラム」を受けた経験を持つ男性だ。そもそも、薬物依存症治療病院とはどういうものなのか。当時の話を聞いてみた。

「23歳の時から先輩に誘われたのをきっかけに大麻がやめられなくて、そこから2年間ほぼ毎日吸い続けていました。たまたま実家に帰ったときに『このままでいいのだろうか?』と不安になり、母親に『大麻をやめられないから、病院に入りたい』と自ら志願し、静岡県にある薬物依存治療病院に入院しました。病院は富士山のふもとにあり、周りは森しかない環境、3階建ての病院の2階と3階に入院患者が収容されています。2階は軽度のアルコール依存症患者、3階にはさまざまな薬物や僕と同じ大麻の依存患者が入院していました。部屋は男性用の10人部屋が8つ、女性用の3人部屋が3つあり、大浴場とトイレは共同です。3階には鍵がかかっており、携帯電話の持ち込みどころか、フロアから自由に出入りするのももちろん禁止です。入院患者は一番多い時で、全部屋埋まるほどいました。その半分ほどが生活保護を受けている患者で、年齢は30~40代がほとんど。最年長は70歳の男性でしたね」

 入院中の治療プログラムは、具体的にどのようなものなのだろうか?

「病院内の生活は、主に入居者同士でディスカッションをしました。話し合いをして楽になろうというのが趣旨です。大麻をやっている時のやめられなかった気持ちや、やめた後はどうしたいかなど。他には薬物を断ち切れた人の講演を聞いたり、薬物の勉強会もありました。プログラムは薬の種類関係なく、皆同じ内容でしたね。やめる過程でのつらさや苦しさは、僕はあまり感じなかったです」

 病院内の生活内容も聞いてみた。

「食事は食堂に集まり全員で食べます。アレルギーや持病のある患者もいますので、メニューは各自違います。また、希望があれば薬物依存後遺症の発作を抑えるための安定剤をもらうこともできます。薬を集めて自殺を企てないように、安定剤は女性看護師が飲ませます。中には飲んだふりをして舌の裏に隠し、部屋に持ち帰る患者もいました。入浴は週2回、各2時間と決まっていて、患者全員で大浴場を使います。洗濯は1,000円の洗濯カードを購入し、1回100円で各自行っていました。

 買い物は週に1回できるのですが、これらのお金は最初入る時に預けます。タバコ、お菓子、ジュース等の嗜好品が買えるんですが、お菓子やジュースは7品まで、タバコは1カートンまでと購入していい量が決まっていました。院内の生活費は月2万円ほどで、暇なときは院内に置いてある漫画や小説を読んだりタバコを吸ったりして過ごします。娯楽といえば、週1回1時間だけ運動場で行う運動、それからソフトボールなどスポーツ大会もありましたね。他には囲碁や将棋をして過ごしていました。こう語ると一見楽しそうに聞こえますが、厳しい面もあります。後遺症でフラッシュバックを起こす患者が夜中に騒いだりすると、すぐに男の准看護師が出てくるので皆おとなしくしてました。准看護師は全員柔道部出身のゴリゴリマッチョ系でしたから、元薬物中毒者ではとても敵いませんからね(笑)。また、服は基本自由ですがスウェットの紐などは自殺防止のため禁止でしたね」

 入院期間は3カ月で入院費は130万円にも上ったという。退院後の支援などはあるのだろうか?

「某芸能人も通った薬物依存更生施設の紹介も受けられますが、入るかは自由です。病院からは『退院後は仕事をする前に療養しろ』と言われますけれど、そもそも入院患者の半分以上が生活保護受給者なので、皆、仕事の話はあまりしませんね。でも、就職するのであれば入院していたことは内密にしてくれます。実際に僕や、院内で知り合った友人も就職していますからね」

 次男の逮捕報道を受け、「親としてはもう力及ばず」と三田佳子はコメントを出している。治療プログラムを受けさせるのも、親としてのひとつの手かもしれない。
(取材・文/カワノアユミ)

●カワノアユミ
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。東南アジアの日本人キャバクラに9カ月間、就職潜入した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イースト・プレス)発売中。