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年末の酒の日々

沖田臥竜エッセイ 『茜いろの日々』

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年末の酒の日々

怖い。年々、酒が強くなっている自分が怖い。呑めば呑むだけ確実に酒が強くなってしまっている。
とはいえ、普段は外でしか呑まない。家で缶ビールをあけて呑むなんてことはまずない。
だけれども、外に出ると必ず呑む。なんだったらロキソニンとペパリーゼさえあれば、毎日朝まで呑んでもなんら問題がない。問題はないのだが、仕事に支障をきたすのだけは避けられない。て言うか酒が入れば入るだけ、原稿が遅れるのである。

その為どうしても忘年会などで、呑みが続く12月に対して私は早々と先手を打っていた。

「年末は忙しいから、ほぼほぼ忘年会はいけんわ〜。あ〜あ忙しい忙しい」
と。

でも誰も聞いていなかったのであろうか。て言うか、公言していた私自身が忘れてしまっていたのか。11月から果てしなく呑みが続いてしまった。

流石に書籍が遅れに遅れたために我を取り戻し、誘いがあっても、「付き合い悪なったな〜」と後ろ指をさされようとも、晩飯だけにとどめるように心がけている。もちろん、結局そこでも、また呑んでしまっているのである。
指摘されなくとも分かっておる。「年末は忙しいから、ほぼほぼ忘年会はいけんわ〜」どころか、これでは毎日が忘年会と言うことを。

だけども、酒ならばなんでも良いと言う訳ではない。鬼ごろししか世の中に酒がないのなら、一生呑まなくともへっちゃらである。
主に立ち上がりはビールから入るのだが、そのビールの銘柄のこだわりが尋常ではないのだ。
だいたいは、スーパードライで甘んじておるのだが、本当はエビスが一番好きなのである。それもちょっと高い寿司屋なんかで自信満々に「ビールでございます〜」と登場してくるエビスが好きなのである。
大概、自信のある飲食店のビールはグラスをギンギンに冷やすような野暮ったいことはしていない。
もちろんビール自体は冷えているのだが、グラスで誤魔化すようなあこぎなことをしておらぬ。
だからと言って、「はっ?ビール?生?はいはいっ」てな感じで、ドンと持ってこられるビールのグラスが冷えていないのは、自信とは違う。ただ単にそれはやる気がないだけである。
少しディスってしまうが、そういう店に限って、モルツを持ってきやがるのだ。
最近では、店の店員の応対でビールの銘柄や上手いか不味いかまで分かるようになってきてしまっている気がして仕方がない。

いつからであろうか、酒の味がわかるようになってしまったのは...。

また、食事の誘いである。断りもせずに、出かける準備をしている自分が本当に怖い。
世の人々には年末年始くらい仕事のことを忘れて思う存分、酒でこの世を謳歌してもらいたい。