あの桑田佳祐が落語を披露!
1978年のデビュー以来、その湘南テイストなサウンドと軽妙な日本語のリズムをメロディにのせたポップな歌詞が支持されて、今や最もチケットの取りにくいバンドのひとつでもあるサザンオールスターズ。そのメインボーカルを務める桑田佳祐(60)が、デビューから38年後の2016年になんと「落語」に挑戦したと話題だ。
12月1日放送のNHK「SONGS」に出演した桑田は、シングル「君への手紙」に収録されている4曲を披露。その合間に、その軽妙な語り口と独特の日本語を操り、桑田節とも言える斬新な落語を披露した。
文字に書き起こして、ざっとそのさわりを紹介しよう。
お題目「手紙の送り主の正体は?」
茅ヶ崎萬秘(ちがさきまんぴー)改め、波乗亭米佑(なみのりていべいすけ)師匠
<まくら>
海の近くで育ったので、大きく優雅に泳ぐクジラが大好きです。
クジラ、潮吹き。クジラ、潮吹き。
メールの世の中になって便利になりましたね。ピュピューと飛んでいく。
私は下ネタはやらないけど。
ピューと飛んでいく。ピューピュー、アンアン、もう終わったの、早いわ(笑)
<あなたへの手紙~米佑の夢>
メール全盛の時代ですが、私は今でも郵便が好きで、郵便受けをよくのぞきます。
(おや、これは何だ! 桑田佳祐殿。オ、誰からだ?)
思うんですけど思春期ってのは、なんであんなに考えすぎちゃうのかね!
(ああ、こんなに好きなんだから気が付いてくれねえかなー)
(あれ、意外ともしかして向こうも俺のことすきなんじゃないの、だけどあれ恥ずかしいから、あの子も俺に対してツンケンしてるんじゃないの、ワザと)
思い込みって本当にこわいですよ。ドンドン想像の世界へ入りこんでいく。
(ねえ、桑田君、ねえ、桑田君)
...きたきたきた!
胸を出す格好をしながら...そんなわけないよね(笑)
(ねえ、桑田君、左の方から)
...左胸を差し出す格好
(ほれられてるな)
言わないで、夢がさめてしまう。
と、このように新曲のイメージをうまく落語の世界に落とし込んで手紙にまつわる斬新な小噺を披露した。もともと落語好きで知られるという桑田は、いつかやりたいと心に暖めていたようで、その企画を今回披露するに至ったという。音楽の世界を極めた桑田佳祐が軽妙に操る言葉は、落語になってもその味わいが活かされ、いつのまにか桑田ワールドへ。
落語と音楽の世界をコラボした波乗亭米佑師匠の高座をまた何度でも拝聴したいものである。