最近相次ぐ高齢者ドライバーによる自動車事故。中には、通学中の小学生の列に突っ込み、幼い命が失われたケースもある。ニュースは、「高齢者ドライバーの免許更新の是非や年齢制限」についてのみ議論しているが、果たして重要なことはそれだけだろうか。
事故現場で凄惨な事故の後を見た、交通ジャーナリスト・今井氏は、通学路のガードレール作りや道路の作りなど根本的で早い対策を後回しにして、「あること」を急ごうとする当局行政へ警鐘を鳴らす。
高齢者ドライバーの免許更新の年齢制限より、命を守るためにできることはある
【どこでも速度取り締まり=小型計測装置、初の本格導入-愛知県警】
スピード違反の取り締まりを街中の生活道路などどこでも行えるようにするため、愛知県警は今年度中にも小型の自動速度計測装置の運用を始める。埼玉県などで試験運用が始まっているが、本格導入は初めて。子どもたちの通学路を中心に、歩行者を危険にさらす乱暴な運転に目を光らせる。
住宅地の生活道路で、幹線の抜け道に使われる場所では速度超過など荒い運転が目立つ。愛知県警交通指導課によると、以前から通学路などで取り締まりの強化を求める声が上がっていた。
新たに導入する装置は縦と奥行きが50センチ、横26センチと小型で重量約25キロ。三脚を立て、狭い場所でも設置できる。速度超過を感知すると自動的にシャッターを切り、車のナンバーを記録する。 (2016年10月24日付け時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016102400020&g=soc
その記事には、「自動速度計測装置」なるものの写真が「イメージ図」として載っている。三脚に載せて使う小型オービスだ。
俺はおどろいたね。東京航空計器の「LSM-300」じゃないか! ついに「本格運用」するのか!
LSM-300の存在を俺が初めて知ったのは2016年7月末。情報公開法に基づき警察庁から開示を受けた「交通指導だより(平成28年第2号)」という内部文書でだった。
要するに、警察庁が都道府県警察に対し、「新たな速度取締り装置」が開発されたので「今後の参考にしてください」と伝える文書だ。
おぉ、その契約書とか見たい! すぐに俺はいくつかの県警に当たってみた。
けれど、どこもまだ購入していないようだった。年末までにはまた当たってみようか。
と思っていたら10月24日、時事通信が上記のように報じたのである。俺は大喜びで(笑)愛知県警に電話した。が、購入はもう少し先になるという。
購入すれば、契約書と仕様書と取扱説明書を開示請求できる。
その日を待ちながら、まずは「交通指導だより(平成28年第2号)」の全文を、ネット上では初めて公開しよう。
非常に興味深い、びっくりなことが書かれている。