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【宮崎学特別寄稿】トランプ大統領当選で世界はどうなる? そして日本政府は...?

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 もとは泡沫候補だったトランプは「アメリカだけ儲かればいい」という「アメリカ・ファースト」を主張し、移民の排除や人工妊娠中絶の規制で支持層を広げたが、こうした考え方は以前からアメリカでは根強くあったものだ。もちろん「黒人の次は女の大統領なんて、マジありえない」という消去法でトランプに投票した層も少なくない。

 また、父の不動産事業を自分の手腕で大きくしたことも一定の評価はされているのだ。

 もっとも共和党の上層部が苦々しく思っているのも事実である。今後はトランプの締め付けにかかるのだろう。だが、トランプの演説の内容がすべて履行されるとは限らない。

 可能性がありそうなのは違法移民の排除で、本来「違法」な存在なので排除は違法ではないという考え方で進み、人工妊娠中絶をする女性に罰則を科すこともあるかもしれない。また、TPP不参加、大学の授業料の低額化や富裕層への増税も指摘されている。

 一方で、在日米軍の撤退、防衛費の外国負担、クルマや家電など日本製品の高関税化などはどうだろうか。これらは日本政府との調整次第の面もある。

 就任式までまだ時間があるが、それまでに劇的な展開はない。各国や共和党がトランプをどう抑え込むか、あるいは乗っかるか。これからが見ものである。






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宮崎学 プロフィール


1945年京都生まれ。96年に『突破者―戦後史の陰を駆け抜けた50年』(南風社刊、現在は新潮文庫所収)でデビュー、その後は警察などの権力に対する批判やアウトローに関して多くの著書を上梓。近著に『ヤクザとテロリスト 工藤會試論 難民化する「暴力団」、暴力装置化する国家』(イーストプレス)、『現代ヤクザの意気地と修羅場 現役任侠100人の本音』(双葉社)、共著に『平和なき時代の世界地図 戦争と革命と暴力』(祥伝社、佐藤優氏)など多数。