11月1日、北海道警の違法なおとり捜査により銃刀法違反罪で実刑判決を受けたロシア人の元船員アンドレイ・ナバショーラフさん(46)の再審開始が確定しました。2013年9月に再審が請求されてから3年。「再審の開始が認められるのは、ラクダが針の穴を通るよりも難しい」(←なぜか聖書の表現)といわれているわりには早かったですね。それでも大変だったと思います。弁護団の皆様、お疲れ様です。
今後はいつ再審が開始されるかですが、過去の例とは違って、けっこう早いのではという見方もあります。楽しみですね。(取材・文=吉原美姫)
ホントのことを話すのが一番ラク
この事件は、R-ZONEでもおなじみ道警の元エース・稲葉圭昭さんが「上司の命令で銃器対策課ぐるみの違法なおとり捜査だった」と証言したことが決め手となりましたが、稲葉さんは「オレじゃなくて、弁護士さんたちが優秀だったから」と謙虚なコメントをいただきました。以下、Q&Aで。
──まずは再審開始確定おめでとうございます。再審では当時のイケイケすぎた道警の銃器対策課の犯罪が明らかにされるということですね。
稲葉 アンドレイさんの事件は、銃器対策課で上司たちが「誰でもいいから銃刀法違反で逮捕(パク)れ」ということになってでっち上げた事件でした。「ロシア人でいいか~」と適当に決めたんです。自分も加担したわけだけど、そんなことで懲役に行かされるなんて、ひどいじゃない。銃刀法違反の前科があると日本にももう入国できないし。
あの時のオレたちはなんなんだったんだろうと思いますね。イケイケっていうか、でっち上げまでしてパクるなんて、ひどい話です。
話せたことで、また一つ、当時の自分に対する「区切り」ができました。元同僚たちなんかは「余計なことしやがって」くらいにしか思っていないだろうけどね(笑)