>  > 日本の裏社会を語り尽くす! 究極対談「藤本勝也弁護士☓真鍋昌平(マンガ家)☓柴田大輔(作家)」
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日本の裏社会を語り尽くす! 究極対談「藤本勝也弁護士☓真鍋昌平(マンガ家)☓柴田大輔(作家)」

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ヤクザの貧富、弁護士の格差


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藤本 もう今は社会が完全に弱い者いじめにしちゃってますね。日本人ってそうでしょう、もう「悪いヤツだ」「反社会性力だ」ってレッテルが貼られた途端、徹底的に叩くでしょう。もうマスコミからネットの一般人まですべてが容赦ない。一方の警察は、ヤクザをいじめてれば仕事してますって感じになるから徹底的に手入れをやる。でも、ヤクザもプロだからそう簡単に捕まらない。すると今度は半グレに捜査の手を伸ばす、あるいはヤクザと付き合いのあるカタギの人間とか。こうなると警察はやり放題になる。もう人権はどんどん侵害されていきますよ。なぜかって言うとね、今の警察、ヒマで仕方ないんですよ。

真鍋 えっ、ヒマなんですか?

藤本 イタチごっこなんです。警察は摘発したいからバンバンやる、ヤクザは捕まりたくないから法律の抜け道を勉強する。だから今は賃借権搾取だの通帳搾取だの、20日で釈放するようなそんな事件ばっかりですよ。まあ、山口組の抗争はまた別問題ですけどね。そうやって細かい案件ばっかりだから、国は弁護士をいっぱい増やしてるでしょう? 僕が司法試験に通った時代は、弁護士、裁判官、検事合わせて年間500人ぐらいだったんですね。ところが今は合格者が一年で2000人越えてるという。これはもう、需要と供給のバランス全然崩れますよね

柴田 今はロースクール(法科大学院=司法試験の受験資格を得るための専門職大学院のこと。実際に裁判官・検察官・弁護士になるためには、修了後司法試験に合格し、さらに、司法修習を経る必要がある)上がりの弁護士さんとかいますもんね。

藤本 そうそう。若い人を採ろうということで年齢制限をしてるし、国としては検事と裁判官を増やそうという思惑だったみたいだけど、そっちもいっぱいになってきちゃってる。

真鍋 売れてる弁護士──っていう言い方が正しいかどうかわかりませんけど、潤ってる先生とそうじゃない人の格差が大きいって話を聞いたことがあるんですが。

藤本 差は出てますね、確かに。

真鍋 どうして差ができちゃうんですか?

藤本 それは弁護士によって得意分野が違うので、単純に大きな事件を扱う人は報酬も大きいわけでね。

真鍋 それは、たとえば刑事事件のほうが大きいとか?

藤本 ウチの事務所ではすごい大きな刑事事件扱ったこともありますけど、だからといって民事が小さいかというとそうでもない。民事でも一回で何千万ってする事件もあります。ただ、問題なのは何十万の小さな事件でも手間は一緒なんです。今さっきも埼玉で暴力団絡みの判決が出たんですけど、同時に別件で5、6人が逮捕されちゃって、そうなると弁護士はとにかく全員に面会に行かなくちゃならないわけです。だから弁護士事務所はそれなりの人数を抱えてなくちゃいけないわけで、正規のメンバー以外に「ノキ弁」と呼ばれる弁護士も置いて、そういう人にも仕事をしてもらうという、最近はそんな感じですね。

柴田 「イソ弁」という言葉もありますよね。「イソ弁」と「ノキ弁」はどう違うんですか?

真鍋 「イソ弁」は「居候弁護士」の略で、会社で言えば正社員。事務所から給料が出ます。一方の「ノキ弁」は先輩弁護士の「軒下を借りてるだけ」って意味だから、机ひとつと電話を置いてもいいよということですね。こちらは給料出ません。

柴田 先生の事務所──とくに藤本先生は、なんだけど──とにかく徹底的に接見行ってくれるんですよ。被疑者って、捕まって拘束されてるとやっぱり警察の誘導尋問とか圧力に心が折れちゃうんですよ。だからそうならないように面会のローテーションを組んで、隙間なく会いにいってくれる。

真鍋 被疑者はすごく信頼できますよね。

柴田 信頼もあるけど、やはりそれ以上に、捕まったヤツって心がぶれちゃう。不安で不安でどうしようもないから。

真鍋 なるほど。でもむちゃくちゃ大変なお仕事ですよね。東京だけじゃなく、地方の警察署とかにも行かれるわけでしょう?