不夜城を駆け抜けた男、実録インタビュー
藤井学(ふじい まなぶ)
聞き手/花田歳彦 撮影/三田正明
前回書いたように、今回は藤井学氏に覚せい剤の裏側を語ってもらおう。覚せい剤は意外と知られていないが、日本で発明された薬物であり、戦中は軍需工場の生産性や士気を高めるために用いられ、戦後まもなくまでは、薬局で簡単に買うことの出来る合法の薬だった。しかし、その強い依存性や精神作用が問題となり、覚せい剤取締法が施行された。以降、厳しい取り締まりや、量刑も重くなっているのにも関わらず、依然として再犯率が高いのが覚醒剤事犯の特徴だ。覚せい剤は違法である、との認識を持って頂き、今回は読み進めてもらいたい。

新宿のキャバ嬢の3分の1はシャブユーザー
──覚せい剤の売人は歌舞伎町の場合ヤクザが絡んでいるんですか?
「当然絡んでますけど、表向きは関係ありませんですよね。
覚醒剤はヤクザ以外が売ってたらすぐに潰される。需要は一般人相手。覚醒剤を扱ったらヤクザは破門ですよ。基本的には。
新宿、都内のヤクザは親分から「絶対にシャブをやるなよ」って止められてますよ。理由はおかしくなるから。
だからこそ、エンドユーザーは一般人。政治家でも芸能人でもキャバ嬢でも医療関係者でも使ってる。新宿のキャバ嬢なんか、俺の知ってる中では3分の1は使ってる。
で、最近のシャブは昔と違って分かりにくい。
エフェドリンとかアンナカとかいろいろと混ぜるんですけど、産地によって入り方が違うし、どこから船が入るかで違うし、値段で違うし」