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東京ピカレスク~闇社会に君臨するピカロ(悪漢)~ 新章第35回 仲間を売るゲスピカロを追え!

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新章「サイバーアウトロー」連載第35回 仲間を売るゲスピカロを追え!


文/三井裕二・監修/坂本敏也・構成/影野臣直

これは実在するひとりの男の転落と更生の物語である。

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あらすじ
三井の顧客が正体不明の詐欺師に狙われた。そしてたどり着いた犯人とは......


「ねぇ、先生。このまえの、ほら、アイツ。アイツ、名前なんていったっけ」
 オレは鹿児島に尋ねた。

「はぁ、誰のことよ」
 鹿児島は、逆に問い返した。

「沖縄のヤツで、ガタイがデカくって......言い訳ばっかりいう、どうしようもないヤツ。オレが喫茶・侯爵で脅した......」

「あぁ、品川だろ」
 鹿児島は速攻で答えた。

「そうそう、その品川。アイツ、普段どこで仕事してるの」

「どうしたのよ、師匠。品川とモメた件は、メアドを安く買い叩いてケリがついたんじゃないの」

「いや、ちょっと気になることがあって......」
 鹿児島は、訝しげにオレを見た。

「気をつけてよ、師匠。以前もいったけど、アイツはウマく人を利用することばかり考えている、どうしようもないヤツだよ。それに、ヤマを返されたり、気に入らないことをやられたら、平気で相手を警察にチンコロしたりする最低なヤツだよ。もし、密告(チク)られでもしたらバカを見るから、あんなヤツには関わらない方がいいよ」

 鹿児島は、オレと品川の確執を心配してくれているようだった。人の悪口をいわない鹿児島が、ここまでいうほど品川はタチの悪い悪漢なのだと感じとれた。

「オレも、人の紹介で品川とヤツの後輩の荒巻元(あらまき はじめ)という男にカネを貸したんだが、荒巻が1回目の金利すら払わないで飛んでしまったんだ。しかも、品川と荒巻の2人合わせて、たかだか月一の金利で50、50の貸し付けだぜ」
 鹿児島は闇金にしたら低金利の月に一割の金利で、2人に100万円を貸したという。これは、厚意で貸したようなものだったと、鹿児島は語る。

 契約上、この借金を1ヶ月後にジャンプするか完済するのが決まりだが、品川も荒巻も金利の10万円すら持ってこない。荒巻の携帯に連絡を入れたら、契約解除の音声が空しく流れていた。仕方がないので、鹿児島は品川に2人分払うように追いこんだ。

 闇金の定番である、相保証(=一緒に借りたお互いが連帯保証人になること)制度である。