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『聖域 ~関東連合の金脈とVIPコネクション』 ヒット記念書きおろし特別エッセイ 「最強とは何か?」

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写真はイメージです


 話はかわるが、黒塗りのベンツが集会中の暴走族に突っ込んできて絡んでくることがある。

 それまでの価値観では──といっても小学生の頃の僕の価値観なのだが──そういう状況になると皆、散り散りになって逃げるものだと思ってた。

 ところが、S?DA先輩は違った。突っ込んで横付けしてきたベンツのボンネットにバイクから片方の足を乗せて、「どこのもんじゃ!?」と逆に唸り返すのだ。

 「ああ!? なんじゃこら小僧ども!」

 黒塗りのベンツの窓を開けてチンピラ風の男が怒鳴り声を上げる。

 次の瞬間、S?DA先輩は、僕に持たせていた金属バットを取り上げて、黒塗りのベンツのフロントガラス叩き割った。

 唖然とした表情で一連のやりとりを見ていた僕や、僕以外の集会に参加していたメンバーだったが、S?DA先輩の勢いで我に返り、一斉にその黒塗りのベンツに襲いかかった。

 ようやく危険を察知したのか、黒塗りのベンツに乗ったチンピラは勢いよく車を発車させ、その場から逃げだした。

 しかし、それで終わるかと思いきや、S?DA先輩はさらにそのベンツを追いかけて横に追いつくと、片手に持った金属バッドでガンガンとそのボディを叩き続ける。

 勢いづいた他のメンバーも一緒になってベンツを追いかけていく。

 結局、車のほうがスピードが速くてベンツには逃げられることになったが、その時に僕の中で大きな価値観の転換があった。

「ヤクザ相手でも喧嘩で勝てば良いんだ」

 その原体験とも言える経験が、のちの僕の関東連合の活動のスタイルのベースとなっていく。


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 そんな経験をさせてくれた先輩だから、とにかく恐いし、逆らえない

 中学生になってからも何度となく「1万円持ってこい」とか、「あのバイク盗んで来い」とかいったカンパや指令が下った。

 先輩命令として逆らえないのは当然だが、僕には憧れもあったから、S?DA先輩の命令なら可能な限りきいてきたつもりだった。