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ヘイトスピーチハンター・山口祐二郎のひとりごと

黒石市写真コンテスト事件、電通パワハラ自殺事件と、立て続けに起こるいじめ事件に山口祐二郎が憤激する

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だが、いじめ問題の真相までたどり着くことは難しい


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『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』著/福田ますみ 刊/新潮社

 先日、たまたま寄った書店で私は驚愕した。なぜかというと、『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』という書籍が平積みされていたからだ。この本は、長野県丸子実業高校バレーボール部員自殺事件を題材にしたノンフィクション作品である。

 長野県丸子実業高校バレーボール部員自殺事件とは、2005年12月に当時、丸子実業高校に通っていた1年生の男子生徒が自宅で自殺した原因が、バレーボール部と男子生徒の母親との間で激しく争われた事件だ。母親は自殺の原因はバレーボール部でのいじめにあったとし提訴。これに対しバレーボール部員等は、自殺した男子生徒の母親から精神的苦痛を受けたとし反撃の逆提訴をした。2009年3月、長野地方裁判所は、母親の主張は認められないとして、母親がバレーボール部員等に損害賠償を支払うように命じる判決を出した。その後、母親は判決を不服として東京高等裁判所に控訴したが、2009年10月に控訴を取下げとなり長野地裁の判決が確定した。

 この事件のルポタージュ『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』で、モンスターマザーとされている人物とは、自殺した男子生徒の母親だ。お母さんの名前は、高山かおるさん。実は私は高山かおるさんと面識がある。


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山口祐二郎氏提供


 私が高山かおるさんと知り合ったのは2007年だった。住吉会幸平一家池田会(現在、池田会は解散)の幹部だったという異色の経歴の作家、中野ジロー氏の紹介であった。当時、中野ジロー氏はコアマガジン社から発行されていたアウトロー雑誌、マッドマックス(現在、休刊中)のレギュラー執筆人の1人だった。高山かおるさんに頼まれて、高山かおるさんに嫌がらせをする人たちを私は止めたりもしたことがある。だから、他人事とは言えない。けれども後に私は、防衛省に短刀を持って侵入し、火炎瓶を投擲し爆発させ逮捕された。それからは高山かおるさんとは疎遠になった。そりゃそうだ。そんな人間は邪魔になるし、関わりたくなくなるだろう。

 本を読むと、まるで、いじめ自殺の原因が高山かおるさんだというように私は感じてしまった。高山かおるさんに自殺の原因があったのか。私はそう思いたくはない。私は新潮社の知り合いも少なからずいる。取材力はとても凄い。この本も自信を持って出しているだろう。だが、自殺した男子生徒が、バレーボール部の上級生にハンガーで頭を殴られたりしたことがあったのは事実だ。しかしながら、それが自殺の原因であったとは判断なされなかった。

 息子のことを話す度に涙を流していた高山かおるさんの姿が、嘘でなかったと私は信じたい。

 

自殺さえしなきゃ何やったっていいんだよ


 いじめからの自殺とは、いじめられ、傷ついて、とことん苦しんだ挙句に、自ら命を絶つということだ。私たちはどうにかして、尊い大切な命が失われる悲劇をなくさなければいけないはずだ。いじめを駄目と言うことは簡単だ。でも、言うことは大切だが、言うだけではいじめは止まらない現実がある。止めなけれないけないのだ。言うのとやるのは違うのだ。

 いじめを止めることは本当に大変だ。自らが傷つくかもしれないし、いじめのターゲットになるかもしれない。いじめのやり方がとても陰湿で、簡単ではない複雑ないじめのケースもある。そういった場合は判断を誤れば、止めようとしたのにも関わらず、余計にいじめを悪化させてしまうこともある。

 いじめを見て見ぬ振りをすれば楽だろう。他人事で済ましている方々も沢山いるだろう。残念だが、いじめをする心理と同じく、その卑怯さと弱さが人間の本性なのかもしれない。それでも、誰かが身体を張って、いじめを止めなくてはいけないはずだ。いじめ自殺をする人が、少しでも減ることを願い、筆を置きたいと思う。




山口祐二郎
1985年、群馬県生まれ。歌舞伎町ホストなどを経て、新右翼「統一戦線義勇軍」幹部に。2007年に防衛省襲撃事件、2012年に東電会長宅前断食断水ハンストを起こし脱退。現在は、「全日本憂国者連合会議」議長、「憂国我道会」会長。作家・活動家として活躍。 著書に『ハイリスク・ノーリターン』(第三書館)、『奴らを通すな!』(ころから)がある。

山口祐二郎公式ツイッター  https://twitter.com/yamaguchiyujiro