オービスの一般道設置が開始される、その意味
「オービス」とは、ご存知のとおり、自動速度取締り装置の総称だ。
道端や道路をまたぐアーチなどに設置され、通過車両の速度を自動的に測定してスピード違反の車を自動的に撮影する。後日、警察のほうで、写真に写ったナンバーから車の持ち主を調べ、違反者を出頭させて取り締まる。写真には運転者(=違反者)の顔も写っており、動かぬ証拠となる。
ただし、スピード違反ならすべて撮影するわけではない。オービスは赤切符のスピード違反のみを撮影して取り締まってきた。今までは。
どういうことか説明すると、違反は大きく2つに分かれる。
「反則行為」と「非反則行為」だ。
スピードの場合、超過速度が30キロ(高速道路と自動車専用道路では40キロ。以下同)未満の違反が「反則行為」にあたる。一時不停止や携帯電話使用などといった類の違反も「反則行為」だ。そして「反則行為」には、いわゆる"青切符"が切られる。
超過速度が30キロ以上の違反は「非反則行為」とされる。飲酒運転や無免許運転も「非反則行為」。こっちはいわゆる"赤切符"が切られる。「反則行為」よりも悪質で罰則も重い。
では、オービスはなぜ超過速度30キロ以上の「非反則行為」だけを取り締まってきたのか。