>  > 沖縄最前線 大阪府警機動隊員による「土人」発言を山口祐二郎が斬る!
ヘイトスピーチハンター・山口祐二郎のひとりごと

沖縄最前線 大阪府警機動隊員による「土人」発言を山口祐二郎が斬る!

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YOUTUBEの動画から


10月19日。沖縄県東村高江で、米軍へリパッド建設反対をする市民に対し、大阪府警の機動隊員が「触るなコラ! どこ掴んどんじゃ、このボケ! 土人が!」とヘイトスピーチ(差別扇動表現)をした問題を受け、菅義偉官房長官は「許すまじきこと」と発言した。警察庁は、各都道府県警に対しヘイトスピーチをしないよう指導を徹底した。今回はこの差別事件について書きたい。(文/山口祐二郎)


これは明確なヘイトスピーチだ


 すでにニュースでこの事件を各メディアが報じている。けれども、そのほとんどが不適切な発言というだけで、批判が甘い。明確なヘイトスピーチであると報道すべきなのだ。




 さらには、大阪府の松井一郎知事は自身のツイッターで「出張ご苦労様」と書き込んでいるが、一体何を考えているのか。大阪府警機動隊員による沖縄県民を差別した事件の重大さを分かっていない。ヘイトスピーチをした大阪府警機動隊員をねぎらっている場合ではない。

 本土の大阪府警の機動隊員による沖縄に対する植民地目線から、沖縄県民を未開の地域住民だと差別する意図で発せられた言葉なのだ。そう、紛れもなく、差別的な悪意に基づき、高江で米軍へリパッド建設に反対する市民に向かいヘイトスピーチがおこなわれた事件なのである。
 

ヘイトスピーチがあったのは今回だけではない


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『魂込め(まぶいぐみ)』刊/朝日新聞社

 今回の事件の映像は、芥川賞受賞作家の目取真俊(めどるま しゅん)氏が撮影し拡散され、確固たる証拠となって大々的に報道された。しかしながら実は、ヘイトスピーチがされたのは初めてではない。これまでに米軍へリパッド建設に反対する市民に対し、「朝鮮人」「シナ人」などというヘイトスピーチが浴びせられる事件はたびたび起こっている。

 ヘイトスピーチをするのは米軍基地反対運動を潰そうとするエセ右翼、エセ保守が多いが、今回のように公務員の機動隊員までもがおこなっているのだ。それなのにも関わらず、大きく問題とされなかったのである。

 差別が良くないのは当たり前だが日本では2016年6月に、ヘイトスピーチを違法とする、ヘイトスピーチ解消法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)が施行されている。ヘイトスピーチに対して、もっと厳しく対処しなければいけないはずだ。

 

弾圧、弾圧、また弾圧


 ご存知のように高江では米軍へリパッド建設工事が強行されている。工事を阻止せんと抗議行動をする市民たちが、機動隊や防衛局職員たちと激しく対峙している混乱状況だ。

 その闘いの中で、現地では警察による市民への弾圧が相次いでいる。日本政府や、その意向を汲む機動隊や防衛局は暴力的な排除を展開している。それに抗おうと対抗すれば、あっという間に転び攻防のように逮捕されてしまうのだ。転び攻防とは、政治活動や宗教活動などを弾圧するために、警察などが巧みに利用する卑劣なテクニックだ。公務執行妨害罪、暴行罪、傷害罪等を無理矢理こじつけて逮捕をしてしまうのだ。工事を強行するためにである。

 沖縄県民、高江住民の間でも、基地容認派、基地反対派がいて実際の考え方は様々だ。だが、抗議行動をする多くの市民の声を聞かないで一方的に工事を強行するのは、どう考えても偏っているとしか思えない。


対米従属外交を脱し、今こそ米国と対等に


 これだけ混乱を起こしている高江米軍へリパッド建設工事強行を指示しているのは日本政府だ。しかし、その裏には米軍基地を作りたい米国がいる。この問題の本質は、日本が戦争で敗れ、今もなお、米国の傀儡政権だという部分がある。

 現在、日本には米軍基地・施設が130以上も存在している。これは世界的に視ても異常な数だ。そして、その約7割が沖縄に集中しているのだ。米国と日本政府は、米軍基地・施設を沖縄に都合よく押し付けているのだ。とんでもないことである。

 2015年9月には、米国の意向に従うかのような安保法制が成立し、2016年3月に施行された。日本国憲法において軍隊ではない扱いをされている自衛隊が、武器を持って国際的な紛争の中で戦うことになる可能性が生まれたのだ。自衛隊は、まるで米国の傭兵である。このような危機的な状況を許してはいけないだろう。

 結論として私が言いたいのは、日本は今回の差別事件が起きたことをしっかりと反省を踏まえ、米軍基地反対をする市民に向かい、ヘイトスピーチをする機動隊員がいるなど言語道断だという認識を強くしなくてはいけないということだ。この大阪府警機動隊員による「土人」発言の背景には、沖縄県民を差別し、沖縄に多くの米軍基地・施設を押し付けようとしている恥ずかしい精神があるのだ。

 日本は、米軍基地問題を解決するため、今こそ米国と対等にならなければいけないということだ。日本は主権を回復し、自主独立、いわゆる「対米自立」を成し遂げなければならない。




山口祐二郎
1985年、群馬県生まれ。歌舞伎町ホストなどを経て、新右翼「統一戦線義勇軍」幹部に。2007年に防衛省襲撃事件、2012年に東電会長宅前断食断水ハンストを起こし脱退。現在は、「全日本憂国者連合会議」議長、「憂国我道会」会長。作家・活動家として活躍。 著書に『ハイリスク・ノーリターン』(第三書館)、『奴らを通すな!』(ころから)がある。

山口祐二郎公式ツイッター  https://twitter.com/yamaguchiyujiro