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ヘイトスピーチハンター・山口祐二郎のひとりごと

東南アジア諸国の深刻すぎる人権問題を山口祐二郎が追う 後編

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賄賂は日常茶飯事


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写真はイメージです


 どうして、そのようなことをしていて政府や警察は逮捕をされないのか。そんな社会が許されているのか。それは賄賂が日常茶飯事な現実がある。

「簡単に説明すると、賄賂だね。例えばフィリピンとかの空港とかでもさ、ヤバイ物を持っていてもちょっと急いでるからと空港の職員に賄賂を渡せば簡単に通過できる。あとは、東南アジア諸国は指名手配されている人間の逃亡場所になっているね。インターポールでも、国際指名手配は罪の重い赤手配、罪の軽い青手配があるけれども、そういう風に指名手配されている人間でも賄賂を渡せば見付かっても見逃して貰えるんだよ。金さえあれば、やりたい放題だよ」

 K氏は深刻そうな表情で語る。賄賂を渡せば、犯罪をしても許される何でもありの社会は、本来ならば許されないはずだ。だが、私が日本にいても分かる不自然なことは確かにある。皆様もご存知の国際指名手配されている関東連合元リーダーの見立真一氏はなぜだか逮捕されていない。フィリピンに潜伏していたことが濃厚であるし、タイやカンボジアでも目撃情報がある。しかしながら、現在も尚、逃亡し続けている。

 見立真一氏の凄まじいコネクションと、強靭な精神力もあるだろうが、逃げ続けられる理由の1つは賄賂としか思えないのは私だけだろうか。


最後に


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写真はイメージです


 取材を終えると、いつしかK氏も最初の淡々とした様子ではなく、徐々に悲しそうな顔になっていった。K氏は最後に辛そうに言った。

「そんな世界を見ていたら、人間って存在がいかに汚いかを知った。人間の命って、こうに軽いものなんだなって感じたよ。。何も信じられなくなって、人間の善意とか良心とか分からなくなるよ」

 私は終始、K氏の話を聞いていて、東南アジア諸国の人権問題のとてつもない闇の深さを知った。正直、ここまで悲惨な状況だと悔しいけれど、変えようとか良くしようとする気概さえ中々起きない。

 あの、日本の教科書には必ず載っている、世界に偉人として語り継がれるインド独立の父、ガンジーでも、カースト制にはきちんと反対しなかったという。世の中には悲しいけれど、力及ばない領域があるのではないかと諦めの気持ちも出てきてしまう。

 けれども、それでは駄目なはずだ。どんなに努力しても改善できないような救えない状況でも、差別を許容し、人を人扱いしない社会は変えなければならないはずだ。困難ではあるが、誰かが取り組まなければ、このまま涙を流し続ける人間は放置されたままである。


※参考文献 慶應義塾大学・生命倫理セミナー 第12回
臓器売買:その驚くべき現実
─誰がそれを非難できるのか─
粟屋剛(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生命倫理学分野教授)


(文/山口祐二郎 写真はすべてイメージです)




山口祐二郎
1985年、群馬県生まれ。歌舞伎町ホストなどを経て、新右翼「統一戦線義勇軍」幹部に。2007年に防衛省襲撃事件、2012年に東電会長宅前断食断水ハンストを起こし脱退。現在は、「全日本憂国者連合会議」議長、「憂国我道会」会長。作家・活動家として活躍。 著書に『ハイリスク・ノーリターン』(第三書館)、『奴らを通すな!』(ころから)がある。

山口祐二郎公式ツイッター
 https://twitter.com/yamaguchiyujiro