売春ツアーが盛んな現状
ビルマでは、海外からや日本人による売春ツアーも盛んである。日本人による売春ツアーといえば、東南アジア諸国ではよく聞く話だろう。戦後、日本は高度経済成長をし、飛ぶ鳥を落とす勢いで経済発展をした。日本と比べ物価の安い東南アジア諸国へ、安く買春する目的で旅行する日本人が沢山出る。日本の一部の大手企業では、売春ツアーを兼ねた慰安旅行や接待までおこなっていたりもする。
児童売春の温床にも
また、海外からや日本人によるビルマでの売春ツアーは、児童売春の温床にもなっている。そうした目的で行く者も多いのだ。日本と違い、捕まるリスクもまずない。まれに逮捕をされニュースになっていたりするが、そんな事件は氷山の一角である。
迫害、差別、経済的な事情から18歳以下や15歳前後の児童が売春をせざる得なくなる残酷なビルマの少数民族の現実に、何も言えなくなる。悲しいとしか言い表せない。
さらに酷い闇の世界が
こうしたビルマの少数民族の悲惨な状況を、変えていき改善していかなければならないはずだ。ビルマの民主化により、長らく迫害、差別をされてきた少数民族にようやく微かだが明るい未来が見えてきた。アウンサンスーチー氏の負担は重いだろうが、少数民族への迫害、差別は全人類が解決しなけれないけない人権問題であり課題なはずだ。
だが、私が取材の過程で、東南アジア諸国の人権問題に詳しい私の知人K氏(30代)に話を聞くと、驚くべき答えが返ってきた。
「ミャンマー(ビルマ)はまだしっかりしていてマシだよ。本当に酷いのはインドとかネパールだね。人身売買、臓器売買が当たり前におこなわれているよ」
こうして私は、人権もへったくれもない闇の世界を知ることになったのだ。
※後編に続く
※1......ミャンマー(正式にはミャンマー連邦共和国)の軍事政権を非民主的、非人道的であると批判する意味で、国名をミャンマーではなく、それ以前の名称であるビルマ、もしくはビルマ連邦と呼ぶ人たちがいるが、そこにミャンマーの方々に対しての差別的な意図はまったくないことは強調しておきたい(編集部)。
(文/山口祐二郎 写真はすべてイメージです)
山口祐二郎
1985年、群馬県生まれ。歌舞伎町ホストなどを経て、新右翼「統一戦線義勇軍」幹部に。2007年に防衛省襲撃事件、2012年に東電会長宅前断食断水ハンストを起こし脱退。現在は、「全日本憂国者連合会議」議長、「憂国我道会」会長。作家・活動家として活躍。 著書に『ハイリスク・ノーリターン』(第三書館)、『奴らを通すな!』(ころから)がある。
山口祐二郎公式ツイッター https://twitter.com/yamaguchiyujiro