>  > 東南アジア諸国の深刻すぎる人権問題を山口祐二郎が追う 前編
ヘイトスピーチハンター・山口祐二郎のひとりごと

東南アジア諸国の深刻すぎる人権問題を山口祐二郎が追う 前編

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民主化するビルマ


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 ビルマでは、2015年11月。総選挙において、アウンサンスーチー氏が率いる『NLD(国民民主連盟)』が、与党軍事政権『連邦団結発展党(USDP)』に勝利をし、歴史的な政権交代となった。ビルマはすでに、2011年に軍事政権から民政移管しているのだが、内実は軍事国家のままであった。NLDによるビルマの民主化が期待されている。

 ビルマは人口の6割がビルマ族が占め、他にもシャン族、カレン族、ラカイン族、モン族、カチン族、ロヒンギャ族など130以上の少数民族がいる。アウンサンスーチー氏は軍事政権を批判してきたが、ロヒンギャ族への迫害については沈黙をしてきた。そのことについてはたびたび批判されてきたが、2016年9月になってロヒンギャ族への迫害解決に向けた諮問委員会を設立したことは、少数民族の権利回復に取り組んでいくことに他ならない。日本に住むロヒンギャ族の男性A氏(48歳)にこのことについて尋ねてみると、笑顔で自信を持って言った。

「アウンサンスーチーは少数民族やロヒンギャ族を見捨てていないね。まだ根強く残る軍の圧力と闘って、ずっと頑張ってるよ」


ロヒンギャ族とは


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 最近、日本のメディアにも時々取り上げられるロヒンギャ族は、ビルマ西部のアラカン(ラカイン州)を中心に住むイスラム教徒の少数民族だ。ビルマの人口は5000万人程で、その内ロヒンギャ族は100万人ぐらいといわれている。

 仏教徒が多数派のビルマでは、イスラム教徒であるロヒンギャ族はとてつもない差別を受けている。1962年に成立した軍事政権がロヒンギャ族の迫害と追放をおこない、1982年には国籍を剥奪し、2010年には選挙権も失わせた。ビルマ国民であるのにも関わらず、ロヒンギャ族はビルマ国民ではなくされたのだ。

 そのような状況なので、周辺国に船で逃れようとするロヒンギャ族は多い。しかし、受け入れを拒否されたり、漂流して命を落とすことが沢山あるのだ。日本にもロヒンギャ族は難民として逃れてきている。日本ではロヒンギャ族が約230人が住んでいて、群馬県館林市にほとんどの約200人が暮らしているのだ。