>  > 「竹中正久の所作、中野太郎の生き様」元山口組系組長 竹垣悟インタビュー③
日本の裏社会に切り込むスペシャルインタビュー

「竹中正久の所作、中野太郎の生き様」元山口組系組長 竹垣悟インタビュー③

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山口組のこれから


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加茂田重政氏と 五仁會ホームページより


竹垣 四代目(竹中正久)も同じやね。対照的なのは加茂田のおっさん(加茂田重政、一和会副会長兼理事長、加茂田組組長)。派手好きで、目立つのが好き(笑)。これは悪口ちゃうよ。加茂田の親分いうたらそれだけ華のあるヤクザやったということです。

──ブログにも書かれてましたが、四代目・竹中さんが田岡さん(田岡一雄、山口組三代目組長)のところへ行かれるとき......、

竹垣 そうそう、四代目が本家(田岡組長)を訪ねるときには、近所に姫路山市青果っていう市場があったんですよ。そこ寄ってメロン4個入りとかの箱買うて行きよった。『親父、メロン好きやから』って、それは強烈な印象やった。バブルの時代の親分みたいに札束持って行くんじゃなしに、好きなメロン片手に行く。これがヤクザの親孝行ですわ。

──そうですね、メロンならたとえ高級品でも決して高すぎる買い物じゃない。

竹垣 しかも市場やから果物屋で買うより圧倒的に安い(笑)。でもこれが原点、親分の好きなもんを買っていく。金なんて持っていったって受け取れへんからね。

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神戸刑務所を出所する竹中正久四代目を出迎える竹垣悟氏の姿を写した週刊朝日のグラビア 五仁會ホームページより


──これはもうタラレバの話になってしまいますけど、もしも四代目の時代がもう少し長かったら、山口組はどうなっていたんでしょう?

竹垣 やはり任侠集団になってたんと違いますか? 『困った人がおったら助けたらなあかん』、これがヤクザ社会の原点です。そしてヤクザが必要悪としてこの世に存在できる、最低限の条件やないでしょうか。だから私が今の山口組組員に言いたいのはまず弱者救済、この精神を持ってほしいです。主義主張を通すのも、これは男として私は良いことと思います。けどその前に、やはり世の中、国家社会のことを考えて、もう一度山口組綱領を、私は見つめ直さなあかんと思うね。

──先人の経験を聞き人格の向上をはかる。国のために役立つ人間になれと。

竹垣 ええ、それが田岡三代目が綱領をこしらえた原点ですよ。侠道精神に則り国家社会の興隆に貢献せんことを期す。今でも山口組綱領いうのを唱和しよるはずですわ。じゃあ何ンで実践せえへんのやと。寄り合いのとき念仏みたいに唱えさせるだけでは意味ないやないですか。

──六代目山口組も神戸山口組も、どちらも田岡精神を継承するとは言ってるんですよね。

竹垣 せやからね、田岡三代目は水上署の一日警察署長までしてる。つまりそれだけ世の中に貢献してきた。戦後の混乱期には三国人相手に身体張って神戸を守った、その三代目の行動に神戸市民は拍手喝采を送ったんです。そのときの精神を受け継がなあかん。その精神、田岡イズムを受け継げへんのやったら、山口組を名乗る必要ない。そんな組織やったら、もう山口組いうのはなくなった方がええんやないでしょうか。私はそう考えてます。


(了)