>  > 「竹中正久の所作、中野太郎の生き様」元山口組系組長 竹垣悟インタビュー③
日本の裏社会に切り込むスペシャルインタビュー

「竹中正久の所作、中野太郎の生き様」元山口組系組長 竹垣悟インタビュー③

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子は親の、子分は親分の背を見て育つ


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町の清掃、登下校の児童への声かけをおこなう 五仁會ホームページより

──それこそ先ほどの町の顔役じゃないでしょうか。本当に信頼がされてなきゃ小学校の来賓なんか絶対呼ばれないですよ。

竹垣 ホンマにありがたいことやと思います。これが生きがいいうたらおかしいけど、普通に考えたら出席できるやなんて、元ヤクザの親分がこんな光栄な事はないですよ。知り合いがびっくりしてますもん。同世代の連中は孫の卒業式やいうて来てるでしょ、それが私がおるから、『アンタ、何やねん、コレ』って(笑)。

──それにしても竹垣悟というヤクザ界でも有名で、地元でも有名な人が、いきなり緑のおじさんになって道路で旗振ってるというのは、どんな心境なんでしょう?

竹垣 やはりボランティアの精神ですわ。お金もろたら誰でもできる。私は一銭もいただいてませんから。色んなメディアに取り上げてもらえたとき、元ヤクザだけで呼ばれたら困りますから(笑)。こういう活動をしてるヤツもおる。そんなら自分も何かしてみようかと、誰かに少しでもそう感じてもらえたら嬉しいですね。そして私がひとつ胸張れるのはね、私とこにおった若い子と今でも付き合いがある。もちろん皆、堅気ですわ。義竜会のOBは堅気率が高いんです。親分が堅気やったら、下の子らもヤクザに戻る必要はなくなる。正直、私が足を洗った直後は誘いが多かったそうです。でも、『親父(竹垣氏のこと)がこれからやることの行く末見届けて、それからまた話乗ります』と断ってくれたらしい。そういう言い方なら自分の男立てられるし、相手にも納得させられると。

──なるほど。ところで昔のヤクザについてうかがいたいんです。竹垣さんが実際に身近で目の当たりのされた竹中正久さんや中野太郎さん、そういう伝説の親分たちの素顔を教えていただけますか?

竹垣 まず中野太郎は特別やった。あの人は京都から神戸へ来るときでも、若い子ひとりだけ連れて新幹線トコトコ降りてきて。私が中野会の若い衆になった当時、当番やから親分迎えに行かなあかんと、若い子ら引き連れてワーッといったら、殺された山重(山下重夫若頭・1999年宅見組による銃撃事件で死去)が『兄弟、あかんがな、親分が嫌うから』いうて。そやから私らは親分に見えんように陰でチラチラして、それでもしっかり見てはる。あれはたいしたもんです。

──ヤクザが目立ってはいけない、という哲学なんでしょうね。