「ドゥテルテ、調子ノってるとヤッちまうぞ!」 新大統領の強権発動に宣戦布告
ドゥテルテ大統領への敵意をあらわにしたバギオのギャングたち。
そんな彼らとの接触に成功。7月某日、筆者は市内の廃工場をスクワッドしたアジトにおけるパーティーの取材を許可された。
パーティーの目的は、ずばり「麻薬犯罪に対する理不尽な強権発動に対する彼らの意志を明らかにするため」。ドゥテルテが憎悪する〝アイス〟で気勢を上げ、彼の宣戦布告に応えようというわけである。
地元の青ギャングで麻薬密売人の大物・アロワンが家を警察に急襲され、銃撃戦を演じた揚げ句逮捕されるなど、バギオにおいてもドゥテルテ大統領の就任直前から既に国家警察は新政権の意向に沿う動きを活発化させていた。
フィリピン全土の麻薬業界は緊張がみなぎり、たんたんと戦争準備が進んでいる。
現在形のフィリピンにおいて最もポピュラーな麻薬はもはやマリファナではない。メタンフェタミンを主成分としたアッパー系ドラッグである「アイス」、要は覚醒剤、シャブである。