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【緊急提言】海水浴とタトゥー(刺青)〈前篇〉〜タトゥーへの根本的な誤解〜

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2「消毒済みの器具で入れれば、肝炎にはならない」

 抗争で命を落とすことなく"比較的"長生きをした任侠の多くが、実は肝臓癌で亡くなっているという事実は、知る人ぞ知るところのもの。
 そしてその原因が、ごっつい彫り物を背負っていたからにほかならない。

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 では、なぜ墨を入れていると、肝臓を痛めることになるのか?
 ──以下は、筆者がかつて取材したアムステルダム在住のオランダ人タトゥー業界関係者らと、そのサポートメンバーでもある医療関係者らによる話を中心にまとめたものである。

 肝臓には、その大きな機能の一つに「解毒」というものがある。
 有害な物質が人体へ侵入した際に、それを分解して無毒化する機能である。
 墨は、それが顔料インクであろうと染料インクであろうと、本来、人体にとっては不必要なもので、多量に体内へ取り込まれれば有害でもある。
 昨今流行の「天然素材を主としているのでカラダに優しい」などと銘打たれたオーガニックインクや、低アレルギーインクなども、決して無害なわけではなく「旧来のインクに比べれば害が少ないという言い方はできる」というに過ぎない。

 インクは本来、人体には存在せず、また人体に必要もない物質である。それを皮下に刺して身体に取り込めば、肝臓はインクを無毒化するために、フルパワーで働き始める。
 しかし、タトゥーのインクは永続的に皮下に存在し続けるもの。そのため、肝臓は必然的にオーバーロードの状態が続くこととなり、炎症を起こしやすくなる。そうしたところへ何らかの形でウイルスなどが侵入すれば、肝臓は一気にダメージを受け、肝炎を発症することとなる。

 本来、身体にインクが入っていなければ、肝臓には解毒機能に余裕があるため、有害な物質やウイルスが入っても解毒されるため、そう簡単に肝炎にまで至らないもの。
 しかし、皮下にインクがあると、常に休みなく肝臓は働き続けることとなるため、肝機能が低下し、体内にちょっとしたウイルスが入っただけでも対処しきれず、肝炎を発症しやすくなる。

 これは、日々の労働に喩えるとわかりやすいだろうか。
 例えば、毎週1日でも2日でもきちんと休みを取っていれば、たまに残業や重労働が入っても、人はどうにかこなせるもの。だが、死ぬまで1日の休みもなく働かされることとなったら、余裕がなくなるため、ちょっとした問題にも対応しきれなくなり、簡単に心身を崩してしまうことだろう。これと同じ構図と言えよう。
 身体にインクを置き続けるということは、こういうことを意味するのである。