本物である証を探す
少し前に「JKビジネス」なるものが大流行していた。JK=女子高生とお散歩したり、個室でマッサージをしてもらったりというものである。
しかし、それらの店の多くは警察の摘発により閉店。「裏オプション」と称して性的なサービスを提供していたためである。日本の恥部として外国人からもバッシングされ、いまやJKビジネスは風前の灯かと思っていたのだが......。
ある日曜日の昼下がり、たくさんの人でごった返す某都内繁華街を歩いていると、白いブラウスの制服を着た女の子がビラ配りをしているのを見つけた。そのビラに書かれていたのは「JKカフェ」という文字だった。
すぐ目の前の雑居ビルに店があるらしい。エレベーターで上がり、扉が開くとすぐ目の前に店の入り口があった。
「いらっしゃいませ~」
カウンター席のみの狭い店内。カウンター内にはJKの制服を着た女の子が3人。学校が異なるのか、それぞれデザインの異なる制服を着用している。客席は半分ほど埋まっており、空いている席に通された。
風営法の取り決めだろうか、ガールズバーなどと同様に横についての接客はやらないらしく、それゆえに逆に「彼女たちが本物JKであること」へのリアリティーが増してくる。
「はじめまして。Rです」
真面目でおとなしそうな女の子が僕についた。
「なに飲みます?」
「ビール」
Rはサーバーからグラスにビールを注いで僕の前に置く。
「このお店に来るのはじめてですか?」
「うん」
「じゃあ、システムを説明しますね」
40分2100円の飲み放題。
ドリンクはビール、焼酎、ウイスキーなど。
そして注意事項として「女の子には絶対に連絡先を聞かないこと」と言われた。
気になったのは営業時間である。毎日午後1時から午後9時45分まで営業しているようなのだが......。