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こうして怪談は生まれる!『怪談現場』著者、吉田悠軌氏が語る

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事件隠蔽と囁かれる怪談

──事件が元だといわれている怪談もありますよね

吉田 はい、そうですね。なんらかの歴史の記憶が隠されたときに、歪んで伝わっているのが怪談ともいえると思います。
殺人とか不幸な事件とかネガティブなものは隠したいですよね。

──確かに、忘れてしまいたい

吉田 でも圧力があると反発があるように、事実を隠すと噂も立ちます。とはいえ例えば女性が殺される殺人事件があったとして、その事を知っている人たちは、殺人事件があったからあの場所は怖いねと、噂をするだけです。しかし次の世代とかは事実を知らない。でも何かあったということは、共同体や街の空気でなんとなく伝わっている。そうなると、例えば血まみれの女の幽霊が現れたとか、殺人の事実が歪んだかたちで噂になり、徐々に怪談になっていくのだと思います。

──噂話は伝言ゲームよろしく内容が変化しやすいですね

吉田 怪談を広めている方も、殺人事件(事実)については知らないんですけども。この場所で「なにかあった」という共同体の記憶はのこっているから、簡単にはキレイさっぱり忘れ去られない。そうして怪談が語り継がれる事になるんです。

──最後に怪談の最大の魅力はなんでしょうか

吉田 怖いもの見たさこそが魅力、と言い換えてもいいですけれども。やっぱり一番怖いのは、正しいと思っているものであったり、当たり前だと思っていた常識が崩れることだと思います。ですがそれは同時に、快感でもあるんです。価値観が一転するほどの変化を受け入れたくもある。アンビバレントな感情としての「認識が揺らぐ快感」、それを求めるキモチが人間にはあるんじゃないですか。

──なにもないのが一番とは言いいながらも、何か起きろと思う気持ちはあります

吉田 そこだと思うんです。異界があるとしたら覗き込んでみたい。もう一つの世界があるのだとしたらそこを見てみたい、という気持ちは僕自身はありますし、強弱があるにせよ、全ての人にそういう欲求があるのではないですかね。だから怪談を求めるのだと思います。




【書籍『怪談現場 東京23区』6月17日発売!】

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TBS「クレイジージャーニー」出演で注目のオカルト研究家・吉田悠軌が、本書では東京23区の実話怪談の現場を徹底検証&考察!
現地取材や膨大な文献リサーチの結果、それらの怪談は東京の「水の記憶」とリンクしていることを突き止めるのだが――?!

発売日:2016年06月17日
サイズ:A5判
ページ数:216
定価:1512円(税込)

公式サイトイカロス出版『怪談現場』






(取材/文=三吉タンゴ オタクなフリーライター。)