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こうして怪談は生まれる!『怪談現場』著者、吉田悠軌氏が語る

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梅雨が開ければ夏、そして夏といえば怪談話!
ということで、「怖がって怯えて貰うのが目的です。泣くほど怖い話をしたい」と語る、怪談サークル「とうもろこしの会」会長にして、怪談にまつわる著書を多数出版されている吉田悠軌氏に怪談に纏わる話を聞いてきた。

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吉田悠軌(よしだ ゆうき)
怪談サークル「とうもろこしの会」会長。怪談の収集・語りとオカルト全般を研究。新刊『怪談現場 東京23区』。月刊ムーにて連載中。『怪処』『一行怪談』発行。怪談作家・ライター業を中心にTV・映画出演、イベント、ポッドキャスト「とうもろこしの会・吉田悠軌のオカルトラジオ」など。


現代人の方が幽霊を信じていた!

──「四谷怪談」などの有名な怪談が江戸時代に成立してますが、やはり江戸の人は幽霊を信じていたのでしょうか

吉田悠軌氏(以下、吉田) 江戸時代は人口が増えることで怪談話も活発にささやかれたのでしょうが、逆に言うと都市化が進んでいったため宗教的な価値観であったり、化物、妖怪的なものを怖がるキモチが薄れますよね。近代的な価値観に変わっていくといいますか。

人が多ければ事件も多いですし、噂話も増加する。でも都市化が進むことで逆に、江戸時代の人は幽霊を信じなくもなりました。特に江戸末期と比べれば、現代人の方が幽霊を信じている人が多いくらいじゃないですかね。

──そうなんですか!?

吉田 四谷怪談だってホントの事だとは誰も思っていなかったですよ。ホラー映画を見るのと同じで、映画『リング』を見てそれがホントの事とは思って見ていないのと同じです。

もちろん四世鶴屋南北の『東海道四谷怪談』の元になった噂はちゃんとありまして、そちらは事実だと考えている人も中にはいたと思います。私自身が歴史家ではないので、ハッキリとは申し上げられませんが、江戸時代の幽霊は、僕達が思っているほど信じられていないようです。その代わりに、タヌキとキツネが化かす、というのは今よりもよっぽど信じられていたようです。

──幽霊は信じてないのに、タヌキとキツネの化かしを信じるのはなぜですか

吉田 そこは当時としては科学的な考え方だったのだと思います。タヌキやキツネは化かすものだと、動物霊気みたいなものだったりとか。例えばですが、流行りの水素水とかあるじゃないですか。認可医薬品ではない商品でも効果があると考えている。そういうのは、口悪くいえばエセ科学ですよね。私たちの一部も水素水は科学的に効果があると信じるのと同じように、江戸末期や明治には多くの人々がタヌキやキツネは化かすと信じていました。でもその代わり、幽霊なんて迷信だからいない、と考えていたようです。

──なるほど、そういうイメージなんですね

吉田 感覚的には僕達と同じです。幽霊がいると信じている人もいますし、非科学的なものだと考えている人もいる。いたら怖いなと思う反面、いい大人が信じていたら恥ずかしい、といった「常識」もあります。昔の人々もそういったスタンスでしょうね。