>  > 熊本大地震の残したものとは......熊本刑務所の避難所解放は新たなる災害対策のテストケースとなったのか?
熊本震災の爪痕をたどる

熊本大地震の残したものとは......熊本刑務所の避難所解放は新たなる災害対策のテストケースとなったのか?

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4月14日に発生した熊本大地震。都市部では復興の兆しを見せてはいるが、専門家によると地震の影響で90ヶ所以上の地域で土砂災害の危険があると言われている。1か月以上たった今もなお、その爪痕は深く残されているのだ。その震災直後かつてない災害対応がされていたという。それはなんと熊本刑務所の避難所解放だった。


非常時に解放された熊本刑務所


 一般人なら受刑者か刑務官になる以外、生涯入ることのないであろう刑務所の中。そんな行刑施設内で、一般人が暮らすことが起きるとはだれが想像しただろうか?震災直後、被災地にある熊本刑務所が、全国で初めて被災者のために施設内の一部を、避難所として開放していたという。

 震災後、危機に瀕した近くの住人たちから、「揺れが大きくて不安なので、刑務所内に避難させてほしい」との声が上がった。被災者の要望に呼応すべく、熊本刑務所側は職員用の武道場を避難所として開放した。

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避難所となった熊本刑務所(法務省HPより)

鉄筋造りの刑務所では、脱獄防止のため各舎房を頑健な鉄骨と厚いコンクリートで隔てているため、少々の震災ではビクともしない。しかも、窓枠には鉄枠がはめこまれているのも、刑務所が震災等自然災害に強いゆえんであろう


 これは、非常に賢明な選択であった。そもそも、避難所に適した施設というのは

1 敷地が広大で、建造物が堅牢であること。
2 ライフラインの充実。
3 医療設備が整っていること。
4 食料品を始め生活必需品の備蓄があること。
5 交通のアクセスがいいこと。

以上、大まかに5つの条件にあてはまることである。

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震災直後の様子。7階建てのマンションの1階が潰れてしまっている


 しかも、法務省矯正局は2012年の東日本大震災や、過去多くの震災を経験している。東日本大震災の例だけをあげてみれば、福島刑務所では自家発電装置がないため暗闇の恐怖にさいなまれ、宮城刑務所では断水のため慢性的な水不足に悩まされた。

 それらに対応すべき術も、体験上熟知している。

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車を展示していた部分は完全に潰れてしまっていたが、テントを設営し、故障車の修理を行っていたという