事実上の解散に振り回される日本のファンたち
日本では現在も公式ホームページでKARAのファンクラブ入会募集をしている公式ホームページより
KARAビジネスに関わる人々は、日本でこれを発売してKARAビジネスに区切りをつける計画なのかもしれない。だが、長くKARAを応援してきたファンが魅力を感じない高額商品を、誰が買うのだろうか。KARAの販売ワースト記録を作りかねない商品だと思われるが......。
ところで、韓国には、グループ活動をしていないグループでも「解散」を明言しない独特の慣習があり、KARAも例外ではない。リーダーのギュリはDSPメディアを離れた後に、KARAの解散説を否定し、機会があればグループ活動をやりたいと言及した。しかし、「女優活動に注力したい」と明言するギュリが、すぐにKARAの再結成のことを考えることは現実的ではない。他のメンバーも同様だ。解散説の否定は、KARAを喪失したファンへのリップサービス、気休めにすぎない。
今後の6人のソロ活動を支える中心となるのは、既存のKARAファンである。だから、所属事務所にとってもメンバーにとっても、解散を明言しないほうが都合良いのだ。いっそのこと「解散」を明言したほうが、ファンの心はすっきりすると思うが...。
6人を応援し続けるKARAファンは、将来的に、最大6つの公式ファンクラブの会員になるのだろうか。それは若いファンにとって、年会費だけで大きな負担となり、ファン離れの原因ともなりかねない。
公式ファンクラブの入会金および年会費
■グループ名/芸名・入会金(税込)・年会費(税込)
■KARA・0円・5,700円
■ジヨン(知英)・1,080円・5,400円
■ニコル・1,080円・5,400円
■ハラ・0円・5,400円
■スンヨン(6月30日開始)・0円・5,500円
注)2016年6月24日現在、ギュリの公式ファンクラブは発足していない
ファンクラブの費用だけではない。ファンミーティングやライブのチケット代の負担も大きい。例えば、スンヨンは7月に神戸と東京でファンミーティングを開催するが、神戸は9,800円+手数料、東京は30,000円+手数料だ。遠くから参加する場合には、交通費と宿泊費もかかる。6人のメンバー全員に会おうとしたら、単純計算でKARA時代の6倍の出費になるのだ。これはもう、KARA分裂によるファンの悲劇と言うしかない事態である。
2016年にKARAファンの財布の奪い合いが本格化して誰が生き残るのか、結果は数年後に出るのかもしれない。
(取材/文=江川優梨子 韓国の芸能界を追い続けている)