「遺書」
1023番 藤城 杏樹
この手紙をヒカリが目にする時には、もうオレはこの世にはいてへんねんな
なんか、もの凄く不思議な気持ちなるわ
本間にありがとうな
こんなオレに尽くしてくれて、支えてくれて本間にありがとうな
オレはこの世に生まれてきたらあかんかった人間かもしれん
でも、ヒカリと英須が、こんなオレのことを大事にしてくれて、こんなことをしてもうたオレやのに、家族やねんからって言うてくれて、オレは本間に嬉かった
あの世はどんな所かわからへんけど、オレはずっと忘れへん
ヒカリと英須がくれた温もり
本間は、生きてる内に、男やったら、もうオレのことはええから、自分の為に、英須の為に、荷物おろして幸せなってくれって送り出さないかんのに、結局言えずに、いつまでも甘え続けてると思う
こんな男でごめんやで
2人に出逢えて、2人の思い出をあの世に持っていくことが出来て、こんな人生やったけど、オレは幸せです
ありがとう
ずっと見守ってる 2人が見上げた空の上からずっと見守ってる
幸せになってほしい 誰よりも幸せになってほしい
オレのせいで苦しい思いさせてしまった分、幸せになってほしい
自分で作家とか、先生とか言ってるくせに、ひとつも気の利いたこと書けてへんな(笑)
いつまでも元気で、その笑顔のままでいて下さい
ヒカリへ