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熊本地震の支援活動者 ~「被災地を救いたい」という気持ちに嘘はない

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東日本大震災とオリンピックに振り向けられたマンパワーを補充するには


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写真はイメージです


 
 国政を揺るがす規模の大震災が10年以内に2度もあった日本。ひとつは言わずと知れた東日本大震災。そして、もうひとつがこのたびの熊本地震である。

 熊本地震といっても、被害は熊本県内だけにとどまらず、近隣の大分県なども震災被害を受けているので、被害面積は、まさに歴史的広範囲に及ぶ。

 被災地の方々にとっては、今もなお、苦しい状況が続いている。本当に、心からお見舞いを申し上げます。

 安倍首相は被災地への70万食の支援を発表したが、4月16日の本震の影響で配送業者がストップ状態となっており、現場を知らない管理職感覚の理屈ではなかなか対応しきれない、まさに生の現場の過酷さと自然の猛威に翻弄された悪状況が続いている。

 さらに、状況を深刻化させているのは「東日本大震災の復興の遅れ」である。当初、東日本大震災の復興のめどは、地元の工事業者らを中心に、「3年」と設定されていた。3年計画で、完全復興ではないにせよ、完全復興にむけた軌道が確立される予定だった。が、実際は、震災から5年経った現在でもその軌道は確立されてはいない。そうなってしまった理由をあげればキリがないが、東日本大震災の遅れを抱えたままで日本政府は熊本地震を受けたという苦しい現状だけが明確となっている。

 問題となってくるのは、まず、復興物資の少なさである。たとえば、日本中の鉄は、東日本大震災の復興にあてられているので、熊本にまで鉄がまわせるか?である。そして、作業員や労働者の少なさという問題もある。これについても、遅れている東日本大震災への手配で精一杯な業者が多い。九州の業者が東北まで出向いていたのが事実であり、東日本大震災の復興が遅れている現在の状況で、東北から作業員を戻すのもおかしな話である。さらに、オリンピックに向けた東京近郊の整備開発現場もある。物資問題以前に、具体的な復興作業にかかわる人員不足という大きな問題が熊本地震にはある。そういった面では、後発という条件により、もしかしたら、東日本大震災よりも苦境かも知れない。「人が足りない」という痛烈な問題を含んでいるのが熊本地震である。

 こういった問題をうけて、なりふりかまわずに、純粋に熊本地震支援活動を開始している人たちもいる。その中には、日頃は、暴力団と言われて、反社会的な位置付けにその身を置かされている人もいる。しかし、「何かしなければ」「助けたい」という気持ちに嘘はない。環境が人を作るという言葉を思い出して頂きたい。その人間が暴力団員になったのにも理由がある。暴力団員にならざるをえなかった環境というものがある。しかし、震災などでその環境が一変した時、環境が人を作るのならば、一変した環境によって、それまではたんなる暴力団員にすぎなかったとしても、環境に応じて「純粋な支援活動者」になっても別に変ではない。「被災地を救う」という気持ちがめばえ、その気持ちにしたがって純粋に行動をすることに問題はなにもない。そこには社会的肩書きも社会的出自も関係ないではないだろうか。

 ヤクザ業界でいえば、六代目山口組と抗争中にある神戸山口組の系列団体組員たちが必死に熊本地震の復興支援活動にのりだしている。警察当局から、抗争中とされた状況があるにもかかわらず、神戸山口組の組員たちは、被災地で、支援活動を展開している。名媒酌人の故・津村和磨氏は「暴力団とヤクザは違う」と生前に話していた。被災地支援活動をしたからといって、ただそれだけで神戸山口組が暴力団とは違うとは言い切れないが、任侠道に従うヤクザの本質が暴力団のそれとは異なることは紛れもない事実である。


(取材/文 藤原良)


 

  
 

(取材/文: 片瀬純友)