バクチがやめられないワケ

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五輪での活躍が期待されていたバドミントン選手の桃田・田児のバカラ問題が尾を引いているが、野球賭博も昨秋のダルビッシュ有の弟のDark翔の逮捕(なんと6回目)から今年に入っても逮捕者が続出、相変わらず博奕の不祥事はネタに困らない。
「野球賭博をめぐっては、演歌歌手の坂本冬美さんの弟さんも逮捕されていますね。過去にも角界から芸人、会社経営者などさまざまな立場の博奕問題が報道されていますが、これらは有名人だから目立っているだけです。一般人でもギャンブルに異常にハマる人は多いですよ。特に最近はレートの低いオンラインカジノの登場で、低所得の人にも被害が広がっています。これは『病的賭博』というれっきとした病気なのです。いわゆるギャンブル依存症ですね」
そう話すのは、臨床心理士の河原秀さん(仮名)だ。
「ギャンブルで勝っている時の脳内は、セックスのオーガズムや薬物接種の快感と同種の状態となることがわかっています。一度快感を知ってしまうと、やめるのが難しくなってしまうんですね。スポーツ選手はスポーツしかやっていなくて社会常識がないから......というのとは、少し違うと思います。これからも逮捕者は出ると言われていますが、スポーツ界だけではなく、誰にでもありえることです。都内の一等地の地主さんの中で、博奕で負けてビルの一つや二つ売り飛ばしている方は珍しくありませんよ」(河原さん)
子会社から85億8000万円を不正に借り入れたとして告発された大王製紙の井川意高元会長のように、会社のカネに手をつけるのは問題だが、自腹で楽しむのであれば問題ないのではないのか?
「たしかに『自己責任論』は以前からあります。国内カジノ構想もそこから生まれているのでしょうが、違法の博奕はリスクが高いと言わざるを得ません。負け分を野球選手なら八百長で、主婦なら売春で返せと追い込んできますし、自殺された方も少なくないですね」(河原さん)